性癖大全開。少年性とフェティッシュが衒うことなく全面に押しだされている。
“少女”との出会いが〆になっているあたりはなんかもうある種の業なのかもしれない。
産む性としての「女」に対する憧憬と畏怖。監督にとって女ってのは得体のしれない他者、なんだろう。どこまでも。
戦争(紛争)や災害は大自然やファンタジックな超常現象と同列の「画映えするモチーフ」でしかないように見えるのも作家の業なのか。
エンドロールに並ぶお歴々の名前を観ていて何か生前葬のような感じがした。キャリアの晩年に本人の持つ業だけを煮詰めたような(よく言えば作家性の高い)ものをお金と時間と人脈をたっぷりかけて作り上げるとは。なんとも幸せな作品である。若手が同じものを作っても評価も考察もされないだろうなあ。知らんけど。
「学校の宿題で書かされる読書感想文とは、実を言うと読み手の体験を綴るエッセイが求められている(大意)」みたいな話がSNSでバズってたけど、タイトルとの関係で言うと、もしかしたらこれは壮大な読書感想映画なのかもしれない。(当該書未読なので邪推です)
どーでもいいといえばどーでもいいことといえば。宮﨑アニメって汁物を平皿に盛り付ける描写がよく見られる気がしていて、すごくファンタジックだと思ったりしている。