momo

君たちはどう生きるかのmomoのネタバレレビュー・内容・結末

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

2023/07/29
面白いかと言われると普通…
アーティストの晩年の作品て、大抵こんな印象だよなというイメージ。
おぢさんの説教じみた映画。。

眞人は子供の頃の宮崎さんであり、これからを生きるすべての人々であり。
アオサギは鈴木さん。
突如降ってきた塔は、創作意欲かな?
それに魅せられた大オジは今の宮崎さん。

宮崎さんの生い立ちをベースに、この作品を見た全ての人々に、世界平和とクリエイティブを任せたぞって感じのメッセージを受け取りました。
自分は何十年もかけて13個積み上げたのに、眞人に「3日に一個くらいつみあげて…」ていうの鬼畜すぎないか?笑
ラストシーンの眞人は現実に向き合いますみたいに言って元の世界に戻るわけだけど、結局世界が崩れてもいつか戦争は終わるし(復興するし)、クリエイティブを忘れたわけじゃない彼は、さまざまな選択がある東京という未来へ行く。

あとは、もう一度実母に会いたいと、今でも強く思ってるんだろうな。
年取って最後の作品になっても相変わらずマザコンみは変わらず。というか、むしろ過去一直接的すぎるw
あちらの世界でヒミが「こんなに素晴らしい息子を産めるんですもの!」みたいこと言って別れるの、今でも実母にそう言って欲しいんだろうな。

あちらの世界のことわりがいまいちわからないので、夏子さんがあっちで産もうとしてたこととか、キリコさんがどこからきた人で、何を意味するのか、ペリカンとインコの意味はいまいちわかんなかったです。なんか解説サイトとか見たらすっきりするかも?
あと彼が作中に読んでいた、タイトルにもなっている原作?も知らないで見たので、何に宮崎少年が涙したのかは気になるな。
岡田斗司夫の解説に期待ーーー★

映像は、今までの作品の名シーンを詰め込みましたという感じで、ああ本当に終わるのかとじんわりした。
私は特にもののけ姫のシーンが多いように感じたんだけど、宮崎さんの思い入れが強いとかあるのかな?
もしかすると私がもののけ姫が好きだから目についただけかもしれないけど、ときおり主人公がアシタカと重なり、眞人が強い男に見えた。
宮崎さん本人でありつつ、宮崎さんのありたい姿だったのかな?
それ以外にも魔女の宅急便のとんぼをキャッチするシーン、千と千尋の外階段の床が抜けるシーン、ハウルでソフィが涙するシーンなど、もはや総集編みたいな、過去作のセル画を切り貼りして作られたような映像で、見ながら頭で答え合わせするような感覚だった。
ストーリー展開とかもはや必要ないのかも。
先に書いたメッセージ性と、生い立ちと母への想い、そして作り上げた作品たちを振り返るために見る映画。

宮崎さんを超えるアニメを作る人に、私が生きてるうちに出会えるんだろうか。

※ただのおっさんを演じているキムタクが見れるのは貴重かもしれない

追記。
とまあ、自分なりの解釈を羅列したけど、そんなん彼にとっては鳥のフンのようなもんなんだろうな。って解釈すらもまた確信はなく。
彼が何も言わない限り、この作品に主たるテーマ、見た人全てが共通して認識するテーマがなく、子供でも楽しめるエンタメ性がないので、着地点がない。モヤつきでおわる。
ただただ、見た人それぞれの解釈や考察が生まれていくだけ。
タイトル通りのメッセージのそれ以上でもそれ以下でもないのかもとすら思えてきた。
私はやっぱり、もののけ姫、ナウシカ、ハウル、千尋が好きな子供だったし、子供を楽しませてくれなかった。
米津、よく曲を描きおろせたな。言葉を紡ぐハードル高すぎないか?

さらに追記。
紅の豚の女たちが男を引き立てるよう姿がきもかったように、今作でマザコンみをあれだけ出せるのもきもすぎるし、でもそれが伝わってくるって言うのは映画としてはうまく伝えられてるんだよな。好きじゃないけど。
フィクションで、しかもアニメという誇張された世界なので、過去のどの作品も現実味のない女キャラたちに違いはないけれど、紅の豚と今作以外の女キャラたちが愛されるのは、弱さと強さを兼ね備えていたり、成長していく姿が作中に見えるからだと思うし、男に媚びへつらう姿がないからかな。むしろ勇ましく挑む感じ?女性の私がみてても美しいと思うよ。
それが今作にはなかったのできもいんだな。
フィクションの美しさや心地よさが一切ない作品なんだよな~。
momo

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