笑わせてよ

君たちはどう生きるかの笑わせてよのネタバレレビュー・内容・結末

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

本当に夢を見てたみたいな作品なので急いで記録…もうちょっと忘れ始めてる💦やばいやばい

ジブリ版の不思議の国のアリス?
私は見終わったあとずっと首を傾げてた笑
いや、別にとてもいい作品だとは思う(かどうかも正直分からない、スコアつけてあるけど本当は評価出来るほどまだ理解出来ていないかもしれない)んだけど…う〜〜〜〜む
まぁ何というかまさに「考えるな‼️感じろ‼️」って宮崎駿監督に突きつけられてるような感じかなぁ…

宮崎駿監督の集大成、というか今までのジブリの作品がまとめられた冊子をパラパラとめくっていくような感覚?
所々で(これってジブリのあのシーンでは?あのシーンのオマージュでは…?)みたいなところが多々あった。具体的に覚えてるので言うと、
・最初に眞人が夏子さんと自転車人力車に乗って家に向かうシーンのある情景が、もののけ姫にもあった戦場の情景と同じっぽかった
・おばあさん達がどこかで見たことある顔ぶれ…?(これは単にジブリの絵のタッチの可能性ある)
・夏子を探して眞人が木でできたトンネルをくぐるシーンは完全にトトロのメイ
・大叔父様がインコ大王を待っていた海辺の白い小さな子屋?建物?は紅の豚のジーナがポルコを待っていた建物に似てる気がした
・わらわら(童ら?)は、もののけ姫のこだま達に似ていた
・眞人が弓を構えるシーンはさながらアシタカ
・家に着いたばかりの眞人に夏子が用意したお茶請けは風立ちぬでもお馴染みのシベリア。これは完全に狙ってるねと思った
・(インコ帝国みたいなところのパレードは二ノ国のボーグ帝国のパレードを思い出した、けれどこれは多分違う)

こんな感じかな…?また思い出したら追加するかも。

途中まで正直少し退屈で眠くなってしまって、ジブリで眠くなるのは初めてだったからめちゃくちゃ自分に対してショックを受けた笑
体調の問題なのか…今回の作品自体が夢のような作品だったので、あくびが伝染するみたいに夢に誘われてたのかもしれない

私の頭が覚醒したのは、何故か眞人の父親が「眞人がセキセイインコになってしまった〜〜!!!」と叫んだシーン笑😂
そこからの展開もキャラクターもファンタジーですごく好きだった笑笑

人型インコたちが人を食べたりするのは恐ろしいのだけど、何だかお茶目で可愛らしさもあってとても好き!!大きくて強そうなのに、骨で一撃ボコンと殴られただけでノックアウトされてしまったり…。あと喋れないのかなと思っていたけど、「インコ大王様!!!」って喋り始めた時は思わず心の中で(いや喋るんか〜〜い!)とツッコんだ笑

友達と話していて、人型インコって何やらよく分からないし意味不明な生物なのに「赤子は食べない」とか謎の決まりは守ってて何だか可笑しいね、と。その流れで、もしかして人型インコは人間を皮肉っている存在なのでは??という話になった。犬は食べないけれど豚や牛や鳥は食べる。人間だって気がついていないだけで、実は独自の価値基準を守って生きてる。

他の方のレビューで古事記に似ているというものを読んで、なるほどなと思った。確かに私も、夏子が眞人に「こんなところに来てはいけない!!帰りなさい!!」と怒ったところは何か既視感があって…そこが日本の神話の漫画か何かで読んだ、死んで冥界に行ったイザナミとそれを連れ戻しにくるザナギのシーンに被っているんだなぁとレビューを読んで気づいた。いや〜宮崎駿監督がどこまで考えているのか………恐ろし。

最初は眞人の父親があんまり好きじゃないな、と直感的に思った。母が亡くなってすぐに母の妹と再婚!?眞人の話をしっかり聞きもせずに学校にモンペムーブをかまし謎の寄付金、ちょっとモラハラ臭…。
夏子も正直最初の印象はちょっと良くなかった。会ってすぐに義息子の手を自分のお腹にあてて「お兄ちゃんになるのよ」って…しかも何か謎に艶めかしいし…。
でも映画が進むと段々その印象も変わってきた。お父さんは確かにちょっと人の話を聞かないところがあったり、ワンマン気質だけれどめちゃくちゃ良い人。仕事が忙しそうなのに武装して息子や夏子を探しに出かけたり、家族のことをとても大切に思ってる。
そして夏子も、姉の息子と早く仲良くなりたいと思うあまり少し距離の詰め方を見誤ってしまった感じかな?最後まで見るととても良いお母さんになるだろうな、と思った。

ふと今思ったんだけど、もしかして私たちは眞人の妄想を一緒に見ていただけだとしたらどうしよう?父親にすぐに新しい母親が来て幸せそうで、弟も産まれるし自分の居場所はなくなってしまわないだろうかという不安と、母親が亡くなった悲しみもまだ忘れられない眞人の限界の精神状態が、眞人が現実に適応できるように眞人に空想を見させていたんだとしたら?最初に家についてすぐに眞人が寝入ってしまうシーンがあるけれど、あそこから実は映画は全て夢だったのでは…?
あれだけの壮大なファンタジーを繰り広げておいて最後でやけにあっさり「そして僕たちが東京へ移る日がきた」と終わるけれど、それもそのはず実際は何にもファンタジーな事なんて起こってなくて、弟が生まれ、夏子ともある程度の距離感で打ち解けただけの眞人の本当の現実が最後にだけ語られていたのだとしたら…全部夢、全部なかった事?まぁそうだとしても別に全然いいのだけどね。

宮崎駿監督の死生観もとても良く現れている映画だったなぁ。死んだ魚を解体するのを、これから生まれて行く子供たちの童らがキャーキャーと囃し立てながら見守る。死と生がとてもカジュアルにそこに共存している。
童らが空に登って行って、ペリカンたちが来た時は最初(あ、コウノトリの役割をペリカンたちが代わってるのかな?)って思ったけど、全然違ってペリカンたちが童らを食べ出してズッコケた笑食べるんか〜い

関係ないけど、魚を解体するシーンで魚に包丁を刺した時に、プツッと皮が切れて黄金色の体液が出てくるのがなんとも言えず好きで…めちゃくちゃ印象的で忘れられない。性癖に刺さった…。

瀕死の老いたペリカンが子孫の退化を嘆くところが、もののけ姫の乙事主に少し重なった。

ジブリの動物といえば猫!の印象だったけど今回はとにかく鳥!!鳥推し!!(鳥時々🐸)

大叔父様との絡み、世界、宇宙の均衡?平穏?を大叔父様が保っているのか?それを眞人に継がせたい?この辺りは正直壮大すぎてよく分からなかった…眞人と大叔父様の会話も全てが比喩もしくは内輪のみで通じる言葉で話しているみたいで、ちょっと置いてけぼりな疎外感があった

米津玄師の曲が個人的には合ってないと思った(ごめんなさい)
曲のところで余韻があまりなかったというか…陳腐になってしまっている気がして💦
いや〜ほんと素人が申し訳ないけれど…。

本当に何だか続きが気になる夢をずーっと見ているような…夢なのか現なのか分からなくなるような…そんな不思議な映画だった。

もはや宮崎駿監督は子供向けなんてヒョイと飛び越えて、大人向け…ですらない大人でも分からないようなものを作ったな、と…。自分ウケなのか、宮崎さんの作りたいものを作られたんだろうなという感じ。終わったあと、あまりにも分からなすぎて知らない観客同士ながら映画館内の皆が少し同じ気持ちを共有してザワザワしてたのもいい思い出😂

アオサギが最後に言った言葉、「そのうち忘れて行くだろう」って、あれは眞人にだけではなく私たち観客にも向けての言葉だと思った。確かに夢のような映画だったからこそ、私たちはどんどん内容を忘れていく、今でももう少し思い出せないような…。
(これは私の友達めりの天才的な感想。フォロワーの中にいるので良かったらフォローしてください)

これは死ぬほど分かりにくいけれどイデアに近い映画の1つなのかもしれない。これを生きてるうちに簡単に、しかもリアルタイムで見てしまえた私たちはとても幸運なのかもしれない。
とりあえず宮崎駿監督、永遠に生き続けてください。


追記:最初の階段を駆け上る臨場感と火事のシーンのリアル感がエグかった
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