かさま

君たちはどう生きるかのかさまのネタバレレビュー・内容・結末

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

物語としては、新しい家族を受け入れること、良い世界にするためにどういう人間であるべきか等等、真人の内面の旅の要素が色々あげられると思う。
時代背景は第二次世界大戦中だと思われるが、戦時中の社会情勢で生きる子供という面よりは真人個人の人間関係に焦点を絞られているように思った。真人が自分は悪意を持っている人間であると自覚しながら、元いた世界で戻り生きていく道を語る。サギ男やキリコにも向けられた友だちを作るという言葉は、悪意へと容易に流れがちな世界で生きていくための希望のある言葉だと思った。
戦争の時代のイメージを今の観客が共有しているという前提は成り立たないのかもしれない。見ている最中、戦時中の話を自分が理解できる範囲のことに簡単に普遍化して捉えていいのか分からなかった。風立ちぬも見ようかなという気になった。まだ見てない。
アニメーションは宮崎駿の今までの作品の経験が詰まってると思った。そういう仕草でキャラクターを語るんだとか、鳥たちのフィクションと現実の合間を行き来する変態とか、鳥の世界だけど鳥避け杭のようなものがある世界とか、アニメーション制作技術も物の見方も反映されていると思う。
今までに見てきたもの、アニメーション制作で培ったものを込めた作品をまだ作ってほしい。
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