このレビューはネタバレを含みます
宮崎駿フリークとしては是非見ておきたいということで鑑賞。
ラストはめちゃあっさりでもう少し余韻が欲しいなとは思ったけど、世界観の広さと深さやキャラの躍動感はやっぱり僕の知るジブリであり宮崎作品だった。
世界観の成り立ちとか細かい設定の落とし所みたいなのが描かれていないこともあり多少の宙ぶらりん感はあるけれども、僕はやはりこれだけ壮大な世界観を作り上げ、形にし、テーマを盛り込むのは巨匠たる所以だなと感じる。
シナリオ創作や作曲とかはある程度基礎的な構造を把握するとパズルゲームみたいになってくる部分がある。
「この展開が来たら次はこうだよね」みたいなセオリーがあるし、正直どの作品見てもある程度の先読みは出来るし想像の範疇に収まるものだけれど、宮崎作品だけは常に自分の想像を超えてくるし次の展開が読めない部分があるなと感じた。
時代が戦時中とのことだったので説教臭い内容なのかと多少身構えたけれどそんなことはなく、むしろ世界観が広がりすぎて途中までは困惑したな。
シナリオが本筋に入るまでをかなり丁寧に描いており、昨今の本筋に直ぐ入るシナリオの流れとは完全に真逆をいく形。
前半を丁寧に描きすぎて本当にラストまで行けるのか不安になったけどそんなことはなかったな。
現実世界の人間関係あっての物語だったと思うけど、個人的にはもう少し下の世界をゆったりと描いても良いのではないかとは思った。
ただ宮崎作品って初回は唐突感を抱いても何回か見るとちょうど良い采配だったと気付かされたりもするので、これだけで全部判断するのは難しいな。千と千尋とかまさにそうだったし。
いろいろ言われる作品ですが、僕的には見たかった宮崎作品という形で期待感を満たしてもらえたなと思います。