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君たちはどう生きるかのgesuのネタバレレビュー・内容・結末

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

宮崎駿の脳みそとジブリ過去作をミキサーにかけて固めたなにか。

原作未読、ノンプロモーションのお陰で作ってるらしい、公開らしい、くらいの情報量。

説明が省かれていて疑問符の連続だが、想像させる余地は多い。
ただその余地はバックグラウンドや設定の奥ぶかさとは少し違うような気がした。
困ったのがジブリ過去作オマージュのような表現が多かったことか。
もののけ姫観た時のような想像の埒外のような狂った表現はもう生み出されないのかという厚かましい期待、願望がいまだにある。
ただ自分が歳をとってしまっただけかもしれない。

主人公は金持ちの家の子のよう。
戦時中は同じでも某作品の某兄妹とは全く違う。
しかし空襲による母親との死別、父と継母、移住先の田舎のわかりやすい外部排除イジメ、と歪み要素はいっぱい。

継母と父の間には新しい命が産まれる予定、実母の死を未だ受け入れられない、父親はやや仕事人間で田舎の新しいものに対する視線に無頓着な感がある。
マヒトの家族内での態度は子供というよりどこか他人のよう。
屋敷の使用人たちの前の方がよほど自由に子供らしく振る舞っていたように見えた。

死別した母親には甘えられず、会ったばかりの継母にもやきもき気を使い、仕事バリバリな父親にも本心は伝えられていないように見える。
いじめには実力で対抗できたのにその後自傷してしまうのは身内に注目されたい、心配されたい、甘えたいという子供らしさの発露?
ただ観てて辛かった。

あのアオサギは結局何やったかはわからない。熱にうなされただけにしては長いよな。
内的なトラウマがあのトリをああ見せていたのか?
マヒトの心理的インナーエゴもとい、アウターバード?
それとも空から降ってきた件で全てSF的な設定でうやむや不思議〜になってしまうのか?
あっちの世界いってからも、ずっと不穏なままヤバめなことが起きてるぽい、しかわからん。
時間軸は過去?
トリ王国も世界を作ったぽい爺さんも謎。
なんならヒミも謎。母親の子供時代?

オチの説明も後日エピの描写もない。
継母が見つかった、戻ってこれただけで現実は結局何も変わっていない。
母親は復活しないし学校で対立した同級生とも仲直りできたワケでもなさそう。
向こうの世界がどうなったのか、もう一回行けるのかもわからない。
それでもそのあとどう生きるか?ってこと??

声優も事前に明かさないことで個人的には良い方向に行ったのではと思う。
キムタクは何故かすぐ分かった。
宮崎御大には引き続き辞める辞める詐欺は続けてもろて。
原作漫画は買ったのでこのあと読む。

PS原作漫画を読み終わりましたが、アオサギもおばあちゃん軍団も出てきませんでした。
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