このレビューはネタバレを含みます
君たちはどう生きるか
君はではなく、君たち。
宮崎駿監督がこの映画で主人公に置いたのは、視聴者である私たち自身なのかもしれない。
以下、個人の感想です。↓↓↓
オープニングから飛び込んでくる炎に圧倒されました。
戦火であり、あの時代を生きた人々の怒りにも見える炎。
それは同時に、大切な人を奪ったこの時代への、意図せずして一方的に与えられた新しい環境への主人公の怒りではないかと。
まだ世界を区分していない、自分で世界を構築している段階の少年が主人公。
選択権が大人にある環境の中、自ら選んだことがわだかまりのある継母を「母さん」と呼び、認めること。
異世界で彼は選択し続ける。継母を助ける事。異世界の相続者としてではなく、自分の世界を生きていく事。
何でも出来る現代だからこそ、
自らが考え、選ぶことの大切さを見た気がします。
主人公、大叔父様、母
三世代の視点で観るとまた見え方が変わるようにも感じました。
子を持つ身として一番グッときたのは、戻る世界を選択するシーン。母である自分の人生に誇りを持っていたからこそ、同じドアをくぐらない選択だったのでしょう。
あなたの側で1人の女の子として一緒に成長するよりも、あなたを産んで母にしてもらった人生がいい。
あなたの母として人生を全うしたい。
年代、性別、時代。
様々な要因で変わるけれど、いつだって人生を決めるのは自分自身なのだ。
それなら私はどう生きるか。