やまもと

君たちはどう生きるかのやまもとのレビュー・感想・評価

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
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訳わからん!

未鑑賞の友人にあらすじを説明しようとしても、うまく言葉が繋がらない。
結局、「千と千尋みたいに、行って帰ってくる話だよ」としか言えなかった。

意味ありげなモチーフは難解で過多。部分部分のメタファーを見つけても、全体を見渡すとボロボロと崩れる。物語は複雑すぎるほどに立体的で、視点をどう置くかによって全く異なる顔を見せそう。

過去作品のパッチワークだと揶揄される表現について、思い当たるシーンは多くあるけれど、個人的には表現の枯渇というより「本当に好きで描いていたんだ」というのが第一印象。
冒頭の炎に包まれる街のシーン、熱風の揺らぎやおぼつかない足取りに「千と千尋の神隠し」のボイラー室へ向かう千尋を見た。あの一瞬で、20年以上前の映画の数秒のワンシーンが鮮明にフラッシュバックするのだからやっぱりジブリはすごい。単体作品だけで評価されないのは功績の証だが、呪いのようでもある。

塔の中は現実ではない。逃げ込んでも、母を助けても、世界を統べても、現実世界は何も変わらない。
夢のような世界を出て「友を作る」と答えた眞人にはグッときてしまった。
ままならない現実を生きるのには、友達が必要だよね。
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