駿、やりたい放題。
前作が死に行く老人からの遺言じみた作品だったのに対し、今作は最後の走馬燈的な作品。
話は古典的な青少年の体験する幻想譚。
19世紀末から20世紀初頭の欧州幻想小説を思わせる物語だし、ミヒャエル・エンデや日本なら宮沢賢治の小説、諸星大二郎のSFマンガ的な風合いとも言えるけど・・・ま、いつもの駿だ。
イメージの連続で繋いで行くので一見難解の様に思えるかも知れないが、難しく考えずに子供向けの絵本を読むような感覚で眺めて楽しむべきだし、そういう体感的な感性が今の世界に欠けている・・・と訴えているようにも感じた。
随分と肩の荷を下ろして力を抜いて作った様に感じて、一寸雑な部分もあるし、連続するイメージは既視感もあるのだが、それでもやっぱり流石は宮崎駿だ。