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君たちはどう生きるかのTKKのレビュー・感想・評価

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
3.7
面白くはなかった。
意味のわからないところも多いし、それでも楽しめる/圧倒されるみたいなところも特段ない。
ジブリの世界観も元々苦手な方で、絵も好かなかった。
メタ的に見ると、という解説で理解はできたけれど、それを抜きにした場合のメッセージ性は?楽しみ方は?と思う。

とにかく作品として面白いところはなかったのだけれど、つまらないという訳でもなかった。何より映画体験としては特別なものになった。
公開前の宣伝ナシ、事前情報ほぼゼロの環境下で見る宮崎駿の最新(復帰)作。
冒頭の戦火のシーン、映画館でジブリを観ているんだという贅沢感がすごくあった。
画面にオーラが宿っているという感じも、国民的郷愁的なものがあるような気がする感じもして、これはやっぱり物凄いことだと思う。
思えば映画館で観るジブリは、コロナ禍のナウシカを除けば、3歳とかで泣きじゃくってトラウマになった「千と千尋」以来かも。

次第に分かってくる豪華キャストでもニヤリみたいな、それは楽しかった。菅田将暉すげぇ。

そして、今みんな「ジブリの新作、見た?」と探り探り話を切り出している光景、これは現代では珍しいかつ現代ならではの社会現象だと思って、微笑ましいのと同時にジブリブランドが築いてきたものの大きさに敬意を払いたくなってしまう、そんな不思議な気持ち。
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