全体的に抽象的で退屈
この映画を例えるなら不思議の国のアリスだと思う。
舞台は太平洋戦争中の日本、家族を亡くした主人公の少年が田舎に疎開してくるが、家の近くにある建物で不思議な出来事に巻き込まれていく。
物語は途中から現実ではなく、不思議な建物から行き来できる、不思議な世界を中心に展開していく。
この不思議な世界で巻き起こる展開が非常に非論理的にまとめられており、アリスを思い出す人も多かったのではないだろうか。
話の要所に「君たちはどう生きるか」のテーマ、あるいは問題提起を想起させるシーンはあるのだが、そのどれもが抽象的。
人物の感情も揺れ動きすぎで唐突に感じる。
はっきり言うとエンタメたりえてない部分が多かったと思う。
話のテンポも抽象的な演出なのに、やたらと言葉で説明するところもあり冗長に感じた。
音楽の使い方でピアノが印象的に使われており、この不可思議な物語にマッチするような気怠さを感じさせる。
ジブリらしいモノづくりの心地よさや食べ物の美味しそうな感じはあった。