てる

君たちはどう生きるかのてるのレビュー・感想・評価

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
3.6

思っていたより面白かったけどなぁ。
賛否両論あるとは聞いていたけど、周りの人からは批判しかなかったので、全く期待しないで鑑賞したが、いやはや案外ファンタジーだったし面白かった。

題名からしてファンタジーだとは思わなかった。説教くさい作品になっているのかと予想していたが、全く違っていた。
内容は冒険ファンタジーだった。義理の母親を助けるために不思議な世界に足を踏み入れる少年。そこでほんの少しの成長をする。

いやぁ、良いのではないですか?
ただ、確かにわからない部分はあった。

アオサギはなぜ眞人をあっちの世界に引き込んだのか。大伯父に始めから頼まれていたわけではなさそうだったし、アオサギの始めの狙いがよくわからない。

義理の母親である夏子はなぜ下の世界に行ったのか。誰かに誘導されたわけでも拐われたわけでもなさそう。助けに来た眞人を激しく拒絶したのに、次に再会したときにはあっさり2人で元の世界に帰っている。どういう心境の変化があったのか説明がなかった。

下の世界の世界観がわかりづらい。数日して頭の中を整理したらなんとなくわかってきたが、初見ではよくわかならかった。

結局のところ、大伯父が何らかのパワーストーンの力を借りて、下の世界を作り上げ、その世界で均衡を守りながら、ひたすら生きていたということだよね。それで、その世界を継いでほしいから眞人を呼び寄せたが、その眞人は自分自身が作り上げた世界に閉じ籠もるのではなく、傷つくことはあるけども外の世界で生きていくことを決心するということなのよね。

眞人が自らつけた傷はどういう意味があったのだろうか。
クラスの子どもと取っ組み合いをした後に拾った石で頭を叩き、自ら傷をつけた。詰問する父親に眞人は転んだだけと言っていた。その傷を見たら父親が激昂し、クラスメイトを攻め立てるのをわかっていたからこそ、そんなことをしでかしたのだろう。しかし、あくまでクラスメイトにやられたとは言わず、父親が邪推することをわかった上で行った確信犯であり、かなり狡猾な知能犯だと思う。だからこそ、最後にその傷を罪の証と言ってたのだと思うが、はっきりと明言されていないので、想像の粋を出ないのだけど。

色々あったけども、下の世界で友達を作ることができたわけで、その友達を作るのに必要なものを眞人は下の世界で学んだのだ。だからこそ、自分の罪を認め、外の世界で多くの友達を作るために努力していこうと決心したのだろう。
外に出たあとは、あっさりとあまりにもあっさりと終わってしまったので、その後どうなったのかは想像するしかないが、きっと上手くやっていけたのだろう。
なんだか、その余韻がなかったのが、残念だった。

え? 終わり?

と拍子抜けしてしまった。

どう生きるのか。問題提起をしたタイトルの割にはしっかりと答えを用意してくれていたように感じた。
もしかしたら、そのあっさりの終わり方にこそ問題提起のメッセージがあったのかな。
なんだか色々考えてしまう。
もう1回観たらわかるのかもしれないね。

それにしても菅田将暉凄かった。全くわからなかった。エンドロール観てもどの役を菅田将暉が演じていたのかわからなかった。菅田将暉なら、声優でもやっていける。才能に満ちた人なんだね。
一方でキムタクはすぐにわかった。ハウルじゃんってすぐに思った。何年経とうと、キムタクはキムタクなのね。逆にすごい。
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