TakuoAoyama

君たちはどう生きるかのTakuoAoyamaのネタバレレビュー・内容・結末

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

主題歌「地球儀/米津玄師」

吉野源三郎の著書からインスピレーションを得たものの、ほぼオリジナル脚本で描かれた「風立ちぬ」以来の約10年ぶりの監督作品。

意味深なタイトルとポスターの青サギの重厚感が良い意味で観る者を身構えさせ、そしてそれは水色のエンドロールを背景に米津玄師の歌詞を聴きながら、また更に考えさせられる。

戦争を知らない世代に今一度伝えたかったメッセージは果たして伝わったのか。


「夏子さん!」「夏子お母さん!」「お母さん!」

台詞で露呈する眞人の複雑な感情がもどかしい。


「石をどのように積むかは君次第だ。」

仕事を継いで欲しい反面、大叔父は眞人に未来を託す。

何でも13個の石は本作を含め宮崎駿の監督作品数と一緒とかで、引退宣言を撤回してまで監督として復活したが、本当にこれで最後という決心の現れなのかもしれない。


ラストの眞人とヒミがそれぞれの扉を開けるシーン。一緒に来て欲しい眞人の誘いを断り、ヒミは自分の扉に向かった。辛い未来を分かっていても眞人が産まれることを改めて望む彼女の姿に鬱蒼としていた世界が瞬く間に晴れて渡っていくように感じた。
TakuoAoyama

TakuoAoyama