TakumiToyama

君たちはどう生きるかのTakumiToyamaのネタバレレビュー・内容・結末

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

公開初日に観て、数日後にもう1回(ずっと眠くてウトウトしてた)、8月末に3回目。
案の定一筋縄ではいかな過ぎる内容でした。

様々な引用、膨大なメタファーやアナロジーがあるようで、しかし宮崎駿が表現したいことは昔から一貫しているとも思うし、過去作品にも度々あった母親の存在(不在)に対する描写もなかなか強烈で(若い母親と実際に対峙するって凄いことだと思う)、
「俺はもうこれ以上のものは作れないから、最後は自分のこと描きたいし、もうやりたいようにやるのでよろしく!わかってもらえなくてもOK!」というエゴのようなものも感じました。
もしかしたら、あえて意図してやってるようにも見える過去作品の焼き直しや、想像力の枯渇を認めたうえでの、最後の長編作品だったのかも。(まだまだ作って欲しいけど)

途中から宮崎駿の頭の中にあるイマジネーションに飲まれていくようでもあり、
重要なのはストーリーではなく、画面上に映るキャラクターのアクションや表情であって、そこから醸し出されるものが何であるかということであり、
メタファーだとか引用だとか細かいことは考えずに楽しむのも良いし、結局よく分からなくても、別にそれで良いんだと思います。

個人的には作家性をビシビシ感じるこういう作品が好きだし、長年ジブリ作品を見てきた人間としては、正直過去作品のような完成度と匹敵するかと言われたら難しいところだけど(過去作品ほどワクワクしなかった)、
まぁ優劣をつけるのも野暮というか、色んな意味で楽しめたし、とにかく公開と同時に観れて良かったです。
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