なゆき

君たちはどう生きるかのなゆきのレビュー・感想・評価

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
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Toronto International Film Festivalガラプレゼンテーションにて鑑賞。

日本での公開から結構経ってましたが、カナダに居たおかげで主題歌、キャスト以外のネタバレ無いまま観ることが出来て、内容云々の前にまず、この時代にジブリを前情報なしに劇場で見れた事が感動的だし嬉しい。
それも、tiff史上初の 日本タイトル、アニメーションがオープニングを飾った日本国外初上映で観れたなんて!!

規模の大きな自主制作がもの凄く活かされた"ジブリ"が詰まった作品って感じがして(セルフオマージュ多かったからだと思う)良かったけど、幼少期から実写もイラストも全ての媒体における鳥が怖くて仕方ない人間だったので、そこは終始キツかった😂
でも、映画上映前にギレルモ・デル・トロ監督が作品紹介で言ってたように"beauty cannot exist without horror, and delicacy cannot exist without brutality"って考えたら、私はこの作品を通して誰よりも美しさに気づけたかもしれない笑

セリフには無いけど、日本人としての感覚があるからこそ(幼少期から他のジブリ作品に親しんでる事も含めて)より伝わった部分も多く感じたけど、移民の多い"カナダ"の皆様が盛り上がって拍手してスタンディングオベーションする人も居たのが、ちょっと不思議な感じだった。カナダに来てからより"古き良き日本"にちょっと具合の悪さを覚える事が多くなった私には余計に。

自分の、世界の"悪意"を認めて、続いていく現実を生きていく終わりは好きでした。
社会(世界?)に触れて、否が応にも子供の内面が成長して、それでも子供だから大人の理想の素敵な家族に落ち着かなくても良いのにな、とも思ったけど。別におばさんのままでも、っていう。
希望と素直に言えるかは別として、タイトルの元になってる本より(あの結末時点では)好きかな、と思いました。
なゆき

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