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君たちはどう生きるかのyzzzykkkのネタバレレビュー・内容・結末

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
1.0

このレビューはネタバレを含みます

ジブリワールドを素直に楽しめない大人になってしまったなぁという悲しみを感じた。

同タイトルの本を先に読んだのと映画の中でもキーワードがでてたのもあって、映画のテーマが良心、悪意、良い倫理観とは、ということなのかなぁと思った。
なんであれジブリのファンタジーを無理やりねじ込んじゃった感あったな。
だから訳わかんなくなっちゃったような気がする。


草原や大海原のシーンの絵が綺麗だった。
インコかわいかったし王様はオウムだったんだね。かわいい。
魂は天から降りてくるイメージが多いのに、ここでは地下の世界から上へ昇っていってた。
魚の贓物を燃料にして天に昇っていくなんてなんかきちゃない。
ペリカンはわらわらを食べるために連れてこられたといってたし、インコもオウムも魚もみんな連れてこられたんだね。人みたいなのは殺生できなくて生活はキリコさん頼み。自由が効かなくて不憫。
勝手に連れてこられてもなんとか生活していたのに創造主の勝手でその世界が壊されるとなったらそりゃ怒るよね。
全部悪意のある石のせい。いや、大叔父のせいか。

引っ越した先の学校での同級生たちのあの目つきとか喧嘩とかのシーンから察するに、学校だけでなく他の大人からも色々言われてたのかね。お金持ちだからやっかみとかもありそう。
そういう人の悪意、妬み嫉み、負の感情にさらされて、自分もその悪いものに取り憑かれちゃったんだろうね。

アオサギはじめ、たくさんの鯉にはやされたり蛙まみれになったシーンは、
自分の心から湧き出てくる怒りだったり負の感情にまみれていたことの現れ。
んで夏子さんはそれを弓矢っていう武器で少し遠ざけてくれた。
弓矢は夏子さんが持つ、そういう悪い感情をストップさせる心の有り様を武器に見立てたもの。眞人くんはそれを見習って自分なりの弓矢を作ったんだなと。

すでにあるちゃんとした弓矢をくれようとするけど、そもそも交換するたばこがなかったにせよ、そんなに欲しがらなかった。無欲。

「自分には悪意がある、だから悪意のない石にはさわれない」って言ったシーンは泣いた。
これだよ、駿ワールドの主人公はこうでないと。
不浄な世界の中で、自分も俗世に染まりつつ心清くまっすぐに生きていこうとする主人公なのはナウシカさんにも通じてるな。というか駿ワールドの主人公に通じているところか。

序盤引っ越したときのシーンは少しホラーっぽかった。
アオサギが、廊下を歩く眞人の上を飛んでいくシーンは不気味で現実感なかったし、廊下を蠢くおばあさんたちも不気味だった。
あぁ、、、幻覚見えてきちゃってるんだなって思った。
戦中の緊張感ある生活、そしてお母さんを亡くした悲しみもいえないまま、慣れない土地での暮らしや、新しい家族の中で自分の居場所が見つけられない、といったことなどによるストレスで、心のバランスを失ってしまった少年。
そしてついに自傷してしまった挙げ句、頭の打ち所が悪くて更に変な幻想や幻聴、白昼夢を見るようになった。その現実ではない世界(夢?)の中で、子供に戻ったお母さんが、悲惨な死を遂げることを理解しつつも喜々として同じ人生を歩んでいく姿を作り出すことで、母の死の悲しみ、悔しさ、罪悪感を昇華させようとしていた。みたいな。


またみたいとは思わないな。
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