てっちゃん

君たちはどう生きるかのてっちゃんのレビュー・感想・評価

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
4.1
風立ちぬ以来のジブリ作品を劇場で観ました。
というか風立ちぬ以来、ジブリ作品観てないかもしれないと思います。

お前のような腐った人間でもジブリ見るんだなと思われそうだけど、実は人生で1番観たのは"千と千尋の神隠し"。
学校帰りにダッシュで家に帰って、1ヶ月以上は毎日観ていた記憶があり、その後も定期的に観ていたので、たぶん50回くらいは観たような気がする。
そんな純粋心は神隠しされたようですが。

そんな前置きはどうでもよくて、いろいろと話題になっている作品であったこと、一緒に観に行ってくれる方もいたので感謝の気持ちを持って劇場へと向かいました。

公開してから暫く経っている地方シネコンですが、7~8割は埋まっている印象でしょうか。

お馴染みの異様に長いシネコン独特の宣伝に、もうお代官様堪忍してや、、この苦行はなんぞ?とそれはそれはお涙頂戴できる1人芝居をしていたら、ご一緒した方は宣伝時間好きよとのこと。
だからご一緒にミニシアター行ったときは宣伝短くて驚いたそうな。
ああ、またもや前置きが長くなってしまったので本題へといきます。

鑑賞した最初の感想は、"宮崎駿さんの変態性満載でこれまでの集大成に付け加え枯れない想像力を見せつけられた"といった感じでしょうか。

さらに湧いてくるのは、"村上春樹さん世界観"。
本作をどんな作品と聞かれたら、このように答えるとしっくりくるようなこないようなそんな感じではないでしょうか。

私は想像力というものに対して、とても惹かれるものがあります。
緻密なプロット、センス溢れる映像美、一癖ある脚本、、もちろんそれらも大好きです。
しかしながら1番惹かれるのは作者の想像力なのです。

なんでこの想像が生まれるの?、どういう生活してたらこんな狂った想像ができるんだよ?、この人の見ている世界はどんなふうに映っているんだろう?、その想像力に触れている今の幸せに感謝!!
とかそんなふうに感じるのです。

想像力とは人間が持っている不思議なものであると思っています。
もっと言えば、人間らしくあるものの証ですら思っています(常々言っている"考える"ことにも繋がるかと思います)。
それってすごいですよね?

思わず熱弁になってしまいましたが、本作は間違いなく宮崎駿さんという人の想像力がこれでもかってほど盛り込まれており、それを全身で感じることができるかできないかにかかっているかと思います。

一方で物語として本作を観てみると、キャラクターの強烈な個性がない、宮崎駿さん自身のフェティシズムを感じてしまうところ(私には共感できない部分での話)、終盤に至ってのばたばた感を感じたのは確か。

それでも感じるのは、消えることない想像力です。
もう引退なのかと思ったら、戻ってきてくれた本作、願わくば次作も、、と思ってしまいました。

もう一度、観に行きたいなと感じた作品でございました。
てっちゃん

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