琥珀

君たちはどう生きるかの琥珀のレビュー・感想・評価

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
3.8
事前の宣伝なし、ポスターも1種類という異例のスタートで注目を集めた作品。頑張って情報をシャットダウンして8月末にようやく観れた!

終わった時の最初の感想は「難しいー!」
メッセージ性が強い作品で、もっとファンタジーな映画を予想してたから予想外ではあったけど、これはこれで面白かった。
階段の駆け上がり方とかお婆ちゃん達は千と千尋の神隠しを彷彿させるし、映画と不釣り合いと思うくらい可愛らしいワラワラも出てくるしジブリ感はしっかり。

メッセージという意味では“繋がり”っていうのはその一つなのかなって感じた。下の国では自分の世界のお婆ちゃんの人形が守ってくれ、最後下の国の石を持ってたから普通なら忘れるはずのその国の事も覚えてたし。全体的に抽象的な表現が多いから観る人によって感じ方も違うだろうけど、色々な捉え方ができる面白さがあるのはさすが宮崎駿監督。繰り返し観たら感想も変わる気がする。また観てみよう!

※メモメモ。【ツッチのムビログ】解説



以下、自分の備忘録としてストーリー含む感想となっていますのでご注意ください⚠️

戦争映画なのかと思う冒頭。時代背景は昭和初期、主人公の少年が空襲により母親を失うところから始まる。その後、父親が母の妹と再婚することになり地方へ疎開。ここでようやくポスターにどんっと映る青鷺が登場。青鷺との出会いから謎の塔へ。この辺りから次第に観ていて夢か現実かわからなくなっていく。

そして迷い込んだのは下の国。最初は死後の世界なのかと思ったがそうではない様子。ジブリでよく登場する小さな生き物、今回はワラワラという白くて丸っこいキャラクター。ワラワラは生まれる前の魂。そしてそれを襲うペリカン。全ての命がこの世に生を受けられる訳ではないという意味なのだろう。ふと、赤ちゃんを運んでくると伝承のあるコウノトリに似たペリカンがその命を奪うというのがなんとも…とか思っていた自分(似ていると思うのは個人の主観)。

下の国を護るのは、現世から姿を消した大叔父や、ヒミと呼ばれる火を操る少女。少女は子供時代行方不明になった時の主人公の母親。下の国は大叔父が均衡を維持することで存在してきた、そしてそれを主人公に託したいと言われるが自分にはできないと自分の世界に帰ることを伝える。その後インコの王が均衡を崩したことで下の国は崩壊。皆無事に元いた世界に戻り戦争が終わりエンディング。
場面が目まぐるしく変わっていく映画でしたね。結局のところハッピーエンドかどうかは分からないけど、きっと主人公の中で消化しきれてなかったお母さんへの気持ちは解消されたのかなと。
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