夜飯

君たちはどう生きるかの夜飯のネタバレレビュー・内容・結末

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

アニメーションはめちゃくちゃよかった!映像も音楽も演出も、ジブリの良さが詰まってた。
特に冒頭の火事の中お母さんを探しに行くところの描写がめちゃくちゃ良くて、幼少の記憶というかトラウマの記憶というか、そういう朧気だけど脳裏に焼き付いて離れない光景の描写として、こんなに的確にアニメーションに起こせるんだ、と感動した。人の感覚の中にしかないようなものを映像として出力できるのすごい。誰かの頭の中をそのまま出したみたい。
ジブリ好きなら楽しめる仕掛け(構図、アニメーション)がたくさんある…っていうのは前評判で聞いていたけど、それも本当!セルフオマージュの部分ってやっぱりワクワクする。


一方で、登場したキャラクター誰にも感情移入できなかったのが辛かったかな。主人公が無口で肝が据わりすぎているので、感情も読めないし、状況に対して一緒に驚きもできない。何がおかしくて何が普通なのか、世界観があやふやなままずっと進んでいったので、気持ち置いてけぼり…というか。物語のどのあたりにいるのかずっとわからなくて、ラストも「あ…ここで終わる?!」みたいな呆気なさがあった。
あと父親が嫌いすぎて、最終的な「家族愛」みたいなのも納得できなかった。父親、乗り換え早すぎるし、元妻に瓜二つな姉妹に手を出すのありえなさ過ぎない?乗り換えの速さ的にも入院してるときから繋がってたんだろうな…と思って悲しくなった。そんな人の事「お母さん」って呼べないよ……。なんでこんな人間関係にしたんですか?


動物の描写、一部気持ち悪かった部分はあるけど、ジブリならではの描写の仕方で面白かった。インコたちかわいい〜。インコのところだけもう1回見たい。人間のドロドロを感じたくないのでそこはもう見たくない。

映像の凄さ面白さのためなら見るべきだけど、ストーリー重視の人は向いてない作品。
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