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君たちはどう生きるかのmakoのレビュー・感想・評価

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
3.9
◎79点

原作・脚本・監督: 宮崎駿。

同じ題名の小説と本作は関係ないそうですが、劇中にその本が出ています。なので、全く関係がないとも言いきれないのかなと思いました。
吉野源三郎著の「君たちはどう生きるか」は既読。小説はお勧めします。


母を亡くした少年に新しい母ができる。しかも妊娠中。
実母の死からあまり日が経ってないのに。心の整理がつかぬまま、新しい環境へ。
新しい母、新しい家、新しい学校。
新しい家にはアオサギがやってくる。そのアオサギはなんだか変。
アオサギに誘われ、現実なのか夢なのか、不思議な冒険が始まっていく。

過去のジブリ作品のオマージュのようなシーンがたくさんあり楽しめました♪
躍動感溢れる映像や色鮮やかな鳥たち、個性豊かな登場人物たち。
前半は現実的な描写で少年の寂しさ辛さが伝わり、後半はファンタジー要素が強く楽しかったです。
少年にある事を託そうとする大叔父だったが、少年の答えは…。


現代は、本作の舞台(戦中戦後)より平和で自由な世の中だけど、なんだか生きづらさはあまり変わらないようにも感じる。
経済は行き詰まり感があり、政治は失策ばかり。
政府は国民に寄り添う事はせず、大企業を優遇し、海外に優しい。
日常生活では、同調圧力が幅をきかせ人の目が気になる。
人と違う事を言ったり行動するとおかしな人扱い。
大多数の意見が正しいとは限らないのに、少数派の意見は陰謀論とみなされる。
一度の失敗が命取りとなりかねない状況に窮屈さを感じる。

この世の中、理不尽さや悪意や偏見、差別を君たちはどう生きていくのか、と問われているように感じました。
なので、このタイトルはピッタリだなと思いました。

本作は鑑賞者それぞれの解釈でいいと思います。
何が正解とかないみたい。
なんなら宮崎駿さん自身、分かってないとのことです😅

本作を観て何を思うのか。
どう受け止めるのか。

声のキャスト、誰が演じているのか分かりませんでした。エンドクレジットを観て豪華俳優陣で驚きました。
主題歌は米津玄師の「地球儀」。
いい曲でした。



観客 35人くらい
劇場鑑賞数 #90
2023鑑賞数 #101
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