HK33

君たちはどう生きるかのHK33のレビュー・感想・評価

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
3.8
極めて概念的/抽象的であり正直よくわかんないところも多く、超面白い!!という感じではなかったが、それでもまあ良い映画だとは思った
・ジブリで既視感のあるシーンがたくさん出てくる、セルフオマージュの詰合せセットみたいな映画
・素人声優を重要な役に起用しちゃうところもジブリのプラクティス通りだが、あいみょんのセリフはどうしても違和感があった。思うにああいう感情の動きが大きい役に当てるとよくないのかも(耳すまのお父さんとかとは役柄が違う)
・情景描写は流石ジブリという感じで美しく迫力がある
・真人の心情とか動機が明示的に描かれないせいで移入しにくくなっている(例えば千尋が分かりやすく泣いたり笑ったりするのとは対照的)がそれを自分たちで考えようぜという趣旨だと理解しました
・終わり方がサラッとしているのがよかった。一連の事象によって真人や世界の何かが外形的/明示的に変わったわけではなさそう(ただきっと真人の内面はひとさじ分だけ変わっている)というところにリアリテイがあって心地よい
・きっと色んな解釈やtakeawayのある映画だと思うが、私は「この世界は確かにクソだが、それを覆すために誰かが作った理想の世界も結局クソ。だからクソな世界で自分がどんな価値観をもってどう生きるかが重要」という示唆を得ました
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