歯医者のお姉さん

ダウンサイド・アップの歯医者のお姉さんのレビュー・感想・評価

ダウンサイド・アップ(2016年製作の映画)
3.7
彼らはまだ紐を結べない事が不幸中の幸いであった、ってところで不謹慎だけど笑ってしまった。人間の殆どが障害を持つ世界で生まれた一人の健常者という逆転の発想でマイノリティ問題に切り込む。結末の持っていき方が本当に良くないので(途中まで良かっただけにとても残念)批判ばかりが目立つけれど、駐車場の表現や皆と違う事で思い詰める主人公を見て、私はどんな作品よりも少数派の抱える生きづらさが身に染みる一本でもあると感じた。繰り返しになるが結末は心無いが、駐車場や映画館で1つや2つだけ障害者ゾーンを設けただけで寄り添った気でいるのか?そもそも寄り添わなければいけない弱者という思想そのものがエゴではないのか?という問いに気付けた事がとても大きかった。