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クリスマスだよ!ボス・ベイビーのLCのレビュー・感想・評価

3.8
面白かった。

父が娘たちに、弟と過ごしたクリスマスの話をする。
弟さんが弟さんしてて良かった。ブレないねえ。

子どもたちのおもちゃを作ったり、包装にこだわったりする妖精たちの業務を、片っ端から効率化していく。ついでにお金を稼ぐ仕組みもしっかり構築していく。
「良い子リストに載っているなら良い子専用包装を、有料で」って、流石過ぎて笑った。50ドル。大体8000円くらいかな?

作中で「効率化のおかげで時間ができたから、ノッグ休憩できる」と言う妖精さんがいるけれど、私も時間ができたら休みたい派。主に睡眠時間に充てたい。
しかし弟さんは「いやその分他の作業ができるからもっと稼げるだろ」と仕事を増やす。マジでブレないねえ。
ちなみに、ノッグ休憩( nog break )はたぶん、スウェーデン語(サンタさんが住んでいるところで使われている言語のひとつ)の「 nog (十分な)」と、英語の「 eggnog (エッグノッグ、甘い飲み物)」と、フィンランド(サンタさんといえばこの国)で採用されているコーヒーブレイクというものをかけてる表現なのかなと思う。
コーヒーブレイクとは、何時間働いたら1回コーヒーを飲む為の休憩時間をとってね、という制度で、これは昼食とかの食事休憩とは別枠。
Eggnog を飲んで Nog break (十分な休憩)を確保できるぜ、みたいな。的外れなこと言ってるかもしれないよ、勿論。

そして、サンタさんが去って行く。
今までのやり方に問題があったから、妖精さんたちにとっては良いボスじゃなかったんだと自信を失ったのかな。
でも、妖精さんたちも、それで意気消沈しちゃう。
クリスマスって、彼らにとっては特にハッピーな日なんだよね。サンタさんのとっておきの日に繋がる仕事をすることで、妖精たちも気持ちが満たされてはいたわけで。その「ハッピーになれることを大切にする」考え方を、不器用に覚えていく弟さんが可愛い。

そしてサンタさんも可愛い。
せやで、いたずらっ子も必要やで。石炭もろて悲しむ子ばかりの世の中ではない。たくましく未来を生き抜く力が人一倍ある子かもしれないし、落ち込んでいるサンタさんの気持ちを軽くする力を持っている子かもしれない。人って面白いね。

妖精さんは、Christmas elf (クリスマスの妖精)とそのまんまの呼び方をされることもあるけれど、 Elf on the shelf (棚の上の妖精)と表現されることもある。
彼らの仕事のひとつに、日々子どもたちの様子を観察してサンタさんに報告する、というものがある。
そんなわけで、緑や赤の服を着たこの妖精の人形を、家のどこかに飾ったりとかしたりする。子どもが見つけると、「サンタさんに良い子だって報告してくれてる!」とわくわくする、的な、そういう。
このことから、「妖精は監視員」と考えるところもあったりする。
父の話を聞いた後に、あーだこーだ聞きたいことがたくさん!な状態の娘たちは、きっと色々な考え方を知るのも好きだろうけれど、今はゆっくりお休み。

短時間だけど、しっかり作られているし、クスッとする瞬間も健在。
人の心がひとつになって、笑顔がうまれるなら、それはきっと素敵なものなんだね。
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