ひゃく

マダム・ウェブのひゃくのネタバレレビュー・内容・結末

マダム・ウェブ(2024年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

美麗な VFX 盛り盛り・キレキレのアクション満載のいわゆる MARVEL 作品を期待していたら, 確かにがっかりな出来かもしれない. とはいえ酷評するほどかといわれると... 予告から想像のつかないどんでん返し的なカタルシスがストーリー上なく,期待を上回るような展開がなかったという意味で低評価というのはあり得るかもしれないが.

テレビドラマの「Daredevil」のようなダークなトーン, 主人公たちが強靭な肉体や身体能力を持たないがゆえに超人的な力, しかも Spider-man を彷彿とさせる悪役に襲われる恐怖感, 無力感はスリラー的で, MARVEL 関連作品としては新しいテイストを新鮮に楽しめた.

ただ, 単に自分が聞き逃しただけかもしれないが, 悪役の背景や思想等(単に力が欲しい? フィクサー的に世界を支配したい?)がいまいちよくわからず, 暴力的な恐怖だけの印象が強くなってしまった. 鑑賞中は影で暗躍するタイプと想像して観ていたため, 後先考えずに人気の多い街中や店内で平然と襲ってくるというやり方がスマートじゃなく矛盾を感じた. 毎晩自分が破滅させられる悪夢を見せられ, 手段を選べないほど追い詰められていたということかもしれないが.

後半 Cassie の能力が覚醒して(自分にとって好ましい)未来を予知する精度が上がったということなのか, 尺の都合なのか, それまではタイムリープもののように示されていたバッドエンドが一切なくなり, 止まない断続的爆発という派手な演出の割りにラストバトルがちょっと物足りない印象に. いかなる超人的な力も未来予知に勝つことは難しいということなのかもしれないが, もう少し悪役に健闘してほしかったなと.

Spider-man ファンとしては, Ben Parker が主要人物として登場したり, Peter Parker らしき赤ちゃんが誕生したりと目配せも感じたが, あの名言を "責任を負うことで大いなる力を得る" 的に言い換えるのはさすがに無理があるのではと思ったり.
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