故ラチェットスタンク

マダム・ウェブの故ラチェットスタンクのレビュー・感想・評価

マダム・ウェブ(2024年製作の映画)
2.5
『激突』

 不謹慎な話だが轢殺は画になる。人体が車体によって横薙ぎにされる刹那には理不尽で一方通行な暴力と権力関係が現れる。それも強制的に。車体が大きければ大きいほどこれは頑強になっていく。
 この映画はあろう事か本来奉仕(Service)に使われる筈の道具を用いてそれを行うのだ。勿論故意に。本来、ほとんど必ず人の足として使われる、上下関係で必ず下にあるはずの奉仕者が権力を帯びるのだ。正義によって。これは実に驚くべき事である。以上は私の浅知恵である。しかし奉仕の叛逆。暴力。ここは恐らく必見だ。オススメする。
 備考としては全体的にアホらしくて不束で、お可愛い、そういうものである。オススメする。煉瓦造りの家も出てくる。ここもオススメだ。