きょう

マダム・ウェブのきょうのネタバレレビュー・内容・結末

マダム・ウェブ(2024年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

大いなる責任を担い、大いなる力を宿したマダム・ウェブ誕生の物語。

「マーベル初の本格ミステリー」を謳っているが、鑑賞側には情報が全部開示されるのでミステリーと感じるのはきっと劇中の登場人物だけ。
裏切りや意外性のある展開も無く、広告に偽り有り。日本のマーケティング部門は反省して欲しい。

ストーリーの粗は目立つが、思った以上に話運びが脳筋で一周回ってもはや面白く感じた。
盗んだ上に凹んだタクシーを運転し続けるキャシー、今度は救急車を盗んで壁をぶち抜くキャシー、有効なのかよく分からないド派手な花火作戦に挑みピンチに陥るキャシー。豪傑すぎる。
そして登場シーンをキメる度に車に轢かれるエゼキエル、キャシーのアストラル・プロジェクションをぼーっと見守るエゼキエル、キャシーが看板が落ちるのをチラチラ伺っている事に気づかないエゼキエル。迂闊すぎる。

芯となる「孤独なキャシーが家庭からあぶれた少女達のセーフティネットになる」展開は、キャラクター同士の信頼関係が築かれる過程含めて好みだった。
キャシーが母親から受け継いだ諦めない・諦めさせない精神にも少し涙腺が緩んだ。

ただ、キャシーの母親に対する思いはもうちょっと尺を足して描いて欲しかったところ。
ヴィランであるエゼキエルもスパイダーマンが敵になる怖さは見えたが、エゼキエル自身の掘り下げが足りず魅力が感じられなかった。
マッシブで黒いスパイディなビジュアルはかなり好きなのだが…。

あとひたすらに "ピーター・パーカー" の名前を出さないのは今後どう転んでもいいように保険をかけているのかなと邪推。
SSUでスパイダーマンの扱いがどうなっていくのかわからないが、現代の年老いたマダム・ウェブや成長したスパイダーウーマン達との共演も期待したい。
きょう

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