話が大体「ヴェノム」の完コピだった「モービウス」に比べたら、「オリジナルのストーリーを立ち上げてやろう」という気概は感じられる。
ただその気概が面白さに繋がっているかは別の話。
キャシーの予知能力の見せ方が、最初は理解できない程めちゃくちゃ過ぎて「編集者はイカれたのか」と思った。しかし後半は多少整理されて見やすくようになっていたので、キャシーが能力をコントロール出来るようになったと強引に解釈はできる。
それでも「これから起きる事（予知）を見せる→実際その通りに起きる」という見せ方はただの二度手間で、何回もやられると飽きる。なのでそっちの見せ方をもっと工夫してほしかった。
またストーリーの展開も中々強引で、状況や心境を説明するセリフはてんこ盛りなのに、「何でそんな事するの?」とツッコミたくなる箇所が多数。
特に終盤、とある危機的状況下で取るキャシーの行動があまりにもぶっ飛び過ぎて、本来シリアスな場面なのに爆笑しちゃった。ニューヨーク～ペルー（リマ）間は飛行機で片道8時間ほどの距離で、東京～シンガポール間（7時間半ほど）より少し長い事を踏まえると、ほんまキャシーは行動力の化身やで。
正直ダメな所やツッコミどころが山盛りだけど、個人的には好きなタイプのダメっぷりなので、目くじらを立てるほどではない。
欲を言えばキャシーが守る少女たちがダイナーでわちゃわちゃする場面の多幸感が良かったので、そういうシーンがもっと欲しかった。
