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マダム・ウェブのMasterYuのレビュー・感想・評価

マダム・ウェブ(2024年製作の映画)
2.9
救急救命士のキャシーは、救命活動中に事故に巻き込まれるが一命を取り留める。それを切っ掛けに奇妙なビジョンを見るようになり困惑するキャシーであったが、ある日電車に居合わせた3人の少女たちが、黒いマスクの男に殺されるビジョンを見たことで、少女たちを助ける決意をするのだが・・・。

低空状態が続くSSU(ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース)。
そんな中で原作ではサポートメンバーの1人でしかないマダム・ウェブを主人公に据えるというのはなかなかのチャレンジ。
これまでのSSUはヴェノム、モービウスとヴィランを扱ってきたことを考えると、SSUにおける新たな布石としたいのでしょう。
キャシーの同僚にベン・パーカーを出し、その妹メアリーが出産となると、MCUとは別軸のSSUオリジナルのピーター・パーカーを作り出そうという狙いもうかがえます。本作の時代設定が2003年なので、2001年生まれのMCU版ピーターとは違うことが分かります。
またジュリア、マティ、アーニャの3人も、本作以降の関わりが気になるところですが、つまりは今後の可能性を考えるという部分だけ楽しいといった感じで、本作のメインとなるストーリーはとっても残念な出来だったような・・・。
マーベル初のミステリ・サスペンスという宣伝文句でしたが、キャシーが力を持つ理由とか、3人娘が命を狙われる理由だとか、そこでサスペンス色を出そうという意図があったのでしょうけど、その色がまったく出せていない脚本でしたね。
どのみち謎の提示に魅力がないのでドキドキ感は生まれ難いし、そこに至る展開も間延びしすぎでテンポも良くない感じ。
ヴィランのエゼキエルのキャラも薄くて、彼が迫ってくるという緊張感も作り出せていなかったように思われます。
「モーリタニアン 黒塗りの記録(2021)」で好演していたタハール・ラヒムを活かせていなくてもったいない。
ダコタ・ジョンソンが演じるキャシーの独り言演出が多いのも気になる。
全体的にもうちょっと頑張ってほしい、という思いが残る作品でした。
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