CHICORITA主任

マダム・ウェブのCHICORITA主任のレビュー・感想・評価

マダム・ウェブ(2024年製作の映画)
3.7
ヴェノムでおなじみソニー・スパイダーマン・ユニバース(SSU)シリーズ最新作。
予知能力に目覚めた救急救命士の女性キャシーが、蜘蛛のコスチュームの男(!)に3人の少女が殺される未来を予見し、彼女らを救うために奔走するストーリー。

前評判があまりにも悪くて不安でしたが、これがなかなか面白い。主人公キャシーには余地能力はあってもフィジカルは普通、ヴィランのエゼキエルも控えめなスーパーパワーしか持っていないのでアクションは地味目ながら、予知能力を駆使した先読みバトルは結構好みでした。
マーベル初ミステリーサスペンスという宣伝文句はやや言い過ぎな感はあるものの、いつものヒーロー映画とは一味違う作品には仕上がっていたと思います。

主人公の過去・敵との因縁パートと少女たちを保護する本筋が完全に分離していて、敵に狙われる緊迫感の中で急に1週間も海外に出かけるという無理のあるプロットや、バトルが地味なのはともかく感情的な盛り上がりに欠けすぎ、など欠点も多々あるのは間違いないですが、少なくとも前作モーヴィウスよりはかなりマシで、そこそこ楽しい一本だったのではないかと。

しかしその程度では満足できないほど成熟しきってしまったのが、現在のヒーロー映画というジャンルなので、文句を言う人が多いのもまあわかります。
本国アメリカでの評判や興行は散々らしく、SSUシリーズの存続もどうなることやらですが、制作される限りは観に行って、微力ながら応援していこうと思います。
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