散歩

マダム・ウェブの散歩のネタバレレビュー・内容・結末

マダム・ウェブ(2024年製作の映画)
2.8

このレビューはネタバレを含みます

最近のD社やヒーロー映画によく見られる「キャラクターが脚本に沿って動かされている感」が凄まじかったんですが、今作の更なる問題はその脚本自体が凄く頭が悪い、っていうか頭を使っている感じが全然しなくて、3人娘は「この状況で考えられるベタな行動」の中で一番バカなものを機械的に選んで動いている感じだったし、「ダイナーへのタイムトライアルはそのアイデアしかなかったの?」って呆れながら観てたし、(確か)2003年って設定だったけど彼女たちを追跡するシステムがおよそその年代のものには到底見えなくて、それがどうもNSAの極秘技術っぽいっていうメンドクサイ部分はご都合的なもので胡麻化しているのも「わざわざ何年かって設定してるんだからそこからちゃんと考えて作ってよ!」ってイラッとしたり・・・。まあ、「え、この状況からペルー行くの!?」って所から真面目に観るのを諦めたんですが、ベンの家にいたのにああいう展開になるのもベタの最前列な展開だし付いていくのも頭悪すぎだし、クライマックスは「未来が見えるだけ」なのが今作のかろうじて良いと感じられる部分だったのに急に新しい能力が出てきちゃってガッカリだったし、ラストに至っては観客目線じゃその未来に繋がらないので訳が分からないしメンドクサイ部分は放り投げたままだしで、ホント何が何やらでした。結局エゼキエルは何だったんだ?『マーベルズ』のヴィラン(名前忘れ)や『ウィッシュ』のマグ王みたいに脚本の被害者ってキャラは特に最近はよく見てるんですが、エゼキエルに関してはそれ以前の問題って感じがしました。前半観てる時は「これ、動機を最初に見せない方が良かったんじゃない?」って思いながら観てたんですが、ホントどうでもよかったですね。ミステリーとサスペンスはどこにあったの?


でまあ、これだけだとただ頭の悪い下手な映画ってだけなんだけど、ペルーに行って母親の真相が分かるシーンがコミック映画にしてもリアリティが無さすぎるし、個人的に近くに重病や難病の子供がいる家庭がそれなりに存在する環境で育ったこともあってか、妊娠中の身でオカルトチックなものに救いを求めてジャングルまで行って「結果娘は丈夫に育ちました」「お母さん、あなたはすごい!」ってやり取りを感動的に描いているのが、なんか子供時代を思い出して現実にいる似た境遇の親子や家庭に対して失礼な感じがしてすごく腹が立ってしまって、しかもそれが物語的に理由があるとかではなく漠然とした母の美談として描かれているのも時代錯誤な感じがして不快でした。盲目で車椅子のヒーローのオリジンで先天的な病気を持っているって設定を入れてるんだから、これまで女性、アフリカ系、アジア系の人達に対してそうしてきたように、(こんな訳の分からない話にしないで)普通に病気や障害を持つ人たちを勇気づけるような物語にした方が良かったんじゃない?って思うんですけどね。まあ、これは本当に個人的な感想でしかないんですが、う~ん・・・いい映画だとは思わないし個人的には今後も絶対に好きになることはない作品でした。

まあ、、、それでも良いと思ったところも一応あって、序盤の街並みの幾つかは雰囲気があって、キャシーが赤いジャケットを着た最初のシーンは好きでした。あとSSUにありがちな「本編と繋がりそうにない思わせぶりなだけのポスクレ映像」が無かったのは評価したいです。
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