5軍の控え

マダム・ウェブの5軍の控えのレビュー・感想・評価

マダム・ウェブ(2024年製作の映画)
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マーベルを期待して観ると肩透かしを食らうとか
そういう問題でもない映画

数分先の出来事を"自分の意志ではなく"予知出来る以外は
普通の人間の主人公が、
ある理由で3人の女子校生を狙う
マーベルモンスターと対峙するという話

以下少しネタバレ↓






ニコラスケイジの「ネクスト」の、
2分先が見えるという能力を不自由にした版で
まあ、いわゆるタイムリープものです
それにマーベルを混ぜた感じ

ただ主人公が能力意外、普通の人間と書きましたが
女子校生の助け方がすでに普通の人がやることではない

車で店に突っ込んで悪スパイダーマンを引いたり
ビルの二階部分から救急車で飛び出し
悪スパイダーマンにダイビングアタックしたり
ステイサムな脳ミソでもない限り行動に移せない事ばかり(笑)
花火倉庫爆発の破片も、飛んで来た壁を盾に持って軽くよけたり
あまり普通の人でもなかったかもしれません(笑)

まあでも、中盤まではそういうタイムリープ映画として見れば
まだ見れなくもなかったので、
変に大味なマーベル映画見させられるよりは
いいかと思いましたが
ラストの花火倉庫付近から、設定がぐちゃぐちゃになり
しかも早送りのような展開で物語が収束

何であんなに話を急いだのでしょう?
そのせいでこの映画、万事休すになりました

まず、何故、花火倉庫に行ったのか
そして何故、悪スパイダーマンも主人公たちが
花火倉庫に行くのを知ってたのかが
私が見る限り分かりませんでした

主人公が倉庫に居た予知を見たのは、この場合関係ないでしょ
現在地を敵に知られてない事が大事なのであって
むしろ倉庫で襲われた予知を見たなら
別の所に行った方が・・・

花火のギミックも、かなり都合良すぎますし
壁が壊れた所にすぐ階段が有ったり等、
大した困難も無く屋上へ到着
というか何で面倒な屋上へ逃げたんだ?
ヘリが下りれるなら埠頭の先っぽでもいいはず

その後、女子校生3人のピンチを同時に救う展開も、
主人公がペルーでパワーアップした事を見せるために
強引に配置されたマッチポンプなピンチだし

この辺から全てがストーリー展開優先で、行動に説得力がなくなる
おかげで心臓マッサージの伏線も安っぽく回収に見えます

そもそもやっぱり花火倉庫に行った理由(計画)がわからん
花火に火をつけてすぐヘリで脱出ってどういう作戦??
花火が偶然にも悪スパイダーマンを狙って飛んでくとでも?
それに、もしもあのままスムーズに脱出したなら、
当然、悪スパイダーマン生きてるよね?
だったら花火倉庫で戦う意味がない

花火で敵を倒す計画ならちゃんと倒さないとだし
そうじゃないと花火倉庫に放火しただけの人だし
ならやっぱ屋上行くのおかしいし、
なぜなら、燃え盛る建物の上で戦うなんて
超人の方が有利になるだけだし
どうせ倒さなきゃならないならヘリを呼ぶ理由も無いのに
無計画に呼んだせいでヘリの人死んじゃうし
逃げるのがメインの計画なら花火倉庫に行く必要すらない
なんなんでしょうか?このザル脚本

極めつけに、肝心の悪スパイダーマンが全体的に弱すぎる(笑)
しかも都合よく弱いので、何の魅力も無い悪役でした

そのあと急に目が見えない&車椅子生活の主人公の後日談を見せられましても
こちらには何の感動もカタルシスもありません

そのあたりの詰めの甘さや
ペルーの蜘蛛一族が英語を流暢に話す謎や
女子校生たちは助かるが周りの人たちはバカスカ死ぬし
(何故女子校生たちを助けるビジョンだけ実行して
ヘリに乗ってた隊員などは助けるビジョンを考えないのか)

その辺も含めてマーベルっぽいザルさでした
5軍の控え

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