はつみ

シティーハンターのはつみのレビュー・感想・評価

シティーハンター(2024年製作の映画)
3.8
アニメシティーハンター全部見て、ジャッキー・チェン版、フランス版の実写シティーハンターも見ており(なんならエンジェルハートのドラマも見た)、原作(アニメ)ファンから見た感想になります。

シティーハンターうんぬんは置いといて普通にアクション映画としての見ごたえが素晴らしかった。
鈴木亮平素晴らしい。しょっぱなから、銃の分解とか、銃の腕だけではなく肉弾戦で見せて、シティーハンターという作品上のコミカルさも相まってすごく見やすく面白い。
肉体改造俳優として今や引っ張りだこの鈴木亮平の冴羽リョウの肉体美の再現はもとより、あの普段お茶らけているが、戦闘となったら他の追随を許さない冴羽リョウの戦闘能力に説得力を持たせているくらいすごかった。

再現度で言えば、一番は槇村秀幸の再現度が一番高かった。これは、まじですごい。
しかも一番この映画で感心したシーンは、槇村とリョウが抱き合って、槇村が死ぬシーンなんだけど、ここ原作(アニメ)では雨のシーンなんですが、今作はレストランのスプリンクラーでその雨を表現していて、めっちゃ良いアレンジやーん!って思いました。

今作は私たちが知ってる基本1話完結の、美女からの依頼に冴羽リョウがセクハラしながらも香が100トンハンマーを振り回しつつ、最後決めるところは決めるっていう定型文からは外れていて、槇村とコンビを組んでいたリョウが香とコンビになるまでの話なので、リョウと香の関係性も全然違うわけ。
だからこそ全体的に、ファン的には「うーん、頑張ってはいるけどなんか違うなぁ」という気持ちがずっとあった。やっぱり原作のギャグとシリアスのバランスっていうのを実写で再現するにはなかなか難しいんだろうなと思った。
そもそもシティーハンター十八番のもっこりギャグ自体が時代にそぐわないのでやりずらいっていうのもある。
鈴木亮平のリョウも、元をもっと忠実にするなら依頼主の美女のお風呂を除くとか、下着を盗るとか、そういうことを必ずするわけで、このリョウはだいぶ紳士的なんですよね。
上品な冴羽りょう
香もまだ相棒じゃないので、そこまで暴力的にリョウを止めたりしないわけで。
だから、うーん、うーん、とか思っていたんですが、事件解決して、リョウの家に居座る香のいで立ちが”香”だったんですよ。
そんで、冴羽リョウに「リョウー!」って言いながらハンマー振り回してるのを見て、あ、シティーハンターが完成した。って思いました。

だから今作はあくまで序章にすぎないというか、そう思うと今までの「なんか違うなー」が一気に納得できたので最終的に良かったです。

ていうか、普通にシティーハンターの実写化をしても今の時代にもっこりとか、ノリとかいろいろなバランスが難しいってわかってたから、リョウと香がバディになるまでをベースにオリジナルシナリオで製作したんじゃないか?っていうか、普通にそうだよね。え、頭いい。

続編も匂わせてるので、続編は完全な”シティーハンター”を見れることを楽しみにしています。


もっこりショーのシーンはほぼアキラ100%ととにかく明るい安村だけど、妙にクセになるので何度でも見たくなっちゃいますね。
はつみ

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