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シティーハンターのmorettiのレビュー・感想・評価

シティーハンター(2024年製作の映画)
3.5
正直に申しますと、漫画のほうもアニメのほうもあんまり馴染んでおりませんで、今回のネトフリの実写版を酔っぱらって帰ってきてなんとなしに観始めたのですが、冒頭のスケベマットで飛び出すあたりで「あほか」と思って中断、放り出してしまいました。
 
とはいえ、アニメの「Get Wild」がかかるところのカッコよさは覚えていたし、Get Wildしなきゃシティーハンター観たことにならなくね?と思って、後日ちゃんと観ました。
ちなみに1時間くらいまで観て「1話なげーな!」と思ってたんですけどよくよく見ると数話のドラマ形式じゃなくって104分の映画サイズでしたね!
安心して最後まで観てGet Wildしました~。
 
いや、フツーに面白かったですよ!
 
とくに人気の漫画原作の映像化において、作るほうも見るほうも“原作再現度”がトッププライオリティになりがちな昨今、それを突き抜けて全方向に気を配り娯楽作として成立させていたと思います。
 
ちゃんと現在の歌舞伎町を中心とした新宿が映っていたし、漫画やアニメから現代日本へのアダプテーションのバランスも悪くなかったし、悪の組織が仮面ライダーのそれみたいに割り切って面白かったし、うっすら覚えている槇村や香や冴子のキャラクターも実在感があって、すべてにおいて漫画アニメのファンや新規の客を取り込む間口の広い娯楽作になっていたのじゃないですかね。
 
でもなにより、鈴木亮平のパワーですよね。
ちゃんと、というか原作やアニメと同等かそれ以上に“冴羽遼”でした。
シリアス⇔おふざけのふり幅とそのシームレスな演技の確かさや、立ち姿やアクションなどの肉体の説得力、銃裁きやせりふ回しのケレン味、どれをとっても「冴羽遼がいる!」と歓喜させられちゃいましたね。
 
あと声!絶妙にアニメの神谷明さんに寄せていて、キン肉マン少年であるわたしは「神谷さんだ!」と嬉しくなったし、単にモノマネに陥らない鈴木亮平の演技バランスと奥行きのすばらしさに舌を巻きました。
 
最初、鈴木亮平が冴羽遼を演じると聞いたときは「まじー?」と思いましたけど、すみません!今となってはあなたが冴羽遼です!と黙ってあの世で土下座する勢いです。
「エゴイスト」もすごかったけど、この人の演技者としての底が知れないです。
 
その鈴木亮平≒冴羽遼がこの実写映画の肝そのもので、この人がこのキャラクターに扮していればちょっとやそっとの欠点も霞んでしまう、そういうパワーがありましたよ。
 
あとはまぁ…いい意味でも悪い意味でもマンガの世界で…45歳のわたしがキャッキャ言って喜ぶようなものでもないよな…という気分ではあります。
(最初に冒頭10分で感じた「あほか」はそういうことです)
Get Wildも新アレンジでちょっとだけアレ?となったのも否めませんですハイ。
 
とはいえ!
次回作が作られたらまぁ観るかなーという感じではありますけど、これ、新宿の映画館で、TOHOは無理としてもせめてクレジットされていた新宿ピカデリーで観られないものでしょうか?
映画館出て「この街にシティーハンターが!」と思いたいじゃないすか。ねぇ。
 
 
 
余談ですが、昔ジャッキー・チェン版も観に行って「ジャッキー・チェンじゃん!」と思ったのを覚えております。原作再現度0でひどかったね~アレは笑
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