不死身のKOKI

シティーハンターの不死身のKOKIのレビュー・感想・評価

シティーハンター(2024年製作の映画)
3.8
また手堅く実写化したなぁ…

「シティーハンター」という作品に対して、個人的にはさほど思い入れがある訳じゃないが、原作の人気エピソードやフランス製作での実写版等、一応抑えるべきところは一通り抑えた上で臨んでみたところ、まず思い浮かんだのが「無難に作ってきたな」という感想。

しかし無難と言っても、「原作の内容を何から何までコピー&ペーストしただけの原作完全再現作品」という意味ではなく、オリジナル要素として現代の社会問題を取り入れつつ、それを「シティーハンター」らしく調理し、かつそこに冴羽&香コンビのオリジンストーリーを加えてくる、往年の原作ファンだけでなく、新規でこの作品に触れる人間にもよく配慮されているという意味での堅実さがあった。

加えて演者たちも、アニメ版の声優陣達に声や演技を寄せているだけでなく、元々昭和テイストだったキャラをしっかり現代人らしくアレンジしていて、原作の「もっこり」や「100トンハンマー」といったお馴染みのギャグも、実写ですると普通なら荒唐無稽すぎて浮いてしまいかねないところを、コスプレとして表現したり、各所で実写らしい表現がされていて、ここに関してはちょっと感心した。

昨今炎上を恐れるあまり、原作に一切手を加えず、ただ原作と寸分違わぬセリフを演者にしゃべらせて、原作と寸分違わぬストーリーを展開をするだけの面白味が無さすぎる実写化作品が増えてる中で、ここまでちゃんと原作の内容を実写化作品らしく再解釈して翻訳出来てる作品というのは中々珍しい。良作。
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