ゆう

死体の人のゆうのレビュー・感想・評価

死体の人(2022年製作の映画)
3.6
死体の役しかこない売れない俳優のささやかな成長譚。

モチーフの置き方が純文学っぽいね。実際純文学をストーリーに織り込んでるから意識してるのか。死体の役をこなすだけでなにも生み出さないことは然ながら生ける死体かな。命を孕むこと紡ぐことに対する神聖な憧れが原動力になっているのは面白い。自らの存在が、拘りが、想いが、どこにも繋がらないのは辛いよね。

テーマとしては割と使い古されたものだけど、やっぱあのビデオテープはずるいよな。最後の最後に死体役の技術も生かすことができて、良いストーリーだった。
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