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聖なる復讐者のもものネタバレレビュー・内容・結末

聖なる復讐者(2022年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

最初からずっとずっと精神的にきつい。重くてしんどくていろいろ考えさせられるし今だ引きずってます。

『聖なる復讐者』という日本語のタイトルを付けた方には申し訳ないけど、原題の『クリスマス・キャロル』のままでも良かったと思う。
この映画の『クリスマス・キャロル』の意味が分かるとズシッとくる。たまらない。

『クリスマス・キャロル』を口ずさむウォル(双子の弟)の虚ろな目が忘れられない。

直接的な映像はないけど少年院の中で強者から弱者に対して性的虐待が日常的に行われていた真実。
ウォルもその被害者の1人だったことを初めて知ったイル(双子の兄)の目が忘れられない。

この映画を見る前は『聖なる復讐者』というタイトルだから聖なる誰かが復讐者になる話なのかと思っていたけど全く違った。

ウォルには知的障害がある。ウォルはイルが大好きでイルがいたら構ってほしくてずっと話しかけていたのではないか。

イルはそんなウォルを鬱陶しいと思っていたと思う。ウォルが話しかけても無視していた。イルは弟思いの優しいお兄ちゃんではない。おばあちゃんも無口だった。3人の生活の回想シーンがリアルだった。

イルもおばあちゃんも2人とも悪くない。ただ、家が貧しくて仕事で疲れていて余裕がなかっただけ。イルの気持ちも分かる。

イルは弟が自分に助けを求めていたのになんで気がつかなかったんだって自分を責めて責めて爆発したんだと思う。私にはイルの暴力は自傷行為に見えた。

今、このレビューを書くのにジニョンを検索した。

2023年 第59回 百想芸術大賞 映画部門 新人俳優賞(男性)「クリスマスキャロル」受賞 / TIKTOK人気賞(男性) 受賞🏆

2023年 第43回韓国映画評論家協会賞 新人男性俳優賞 「クリスマスキャロル」受賞🏆

ジニョンの演技力、役の振り幅、この映画を見て落ちていた私自身がジニョンに救われた。
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