私はどこから来たのか、何者なのか、どこへ行くのか、そしてあなたは・・・のたかはしのネタバレレビュー・内容・結末

えらいもんを見た…というのが最初の感想でした。
今まで見てきたような、答えがあって、こういう感想を抱いてほしいと誘導するような映画とは全く異なるものでした。

何か探し物をする主人公。その中で出会う人々との会話で続くお話。
出会う人たちはみんなどこか諦観していて、でも何か、主人公には持っていない答えを持っている人たちのような。
その人たちとの会話で主人公は何を感じ、大切な何かを失った後は何を思ったのか。そしてどこへ進むのか。

劇中、決して激しい感情や強い台詞で押し通したりせず、静かに淡々と言葉を紡いでいくのが、より観客の心に語りかけるようでした。

受け取り方や解釈はきっと人それぞれだと思います。
でも私は何となく、今までずっと欲しかった答えをもらえたような気がしました。
哲学的で難しいけれど、色も音も言葉も思いも凪いでいて、とても心地の良い映画でした。

他には無い、という気持ちを込めて、⭐︎5つです。