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キングダム 運命の炎のmoonのレビュー・感想・評価

キングダム 運命の炎(2023年製作の映画)
4.5
長く待ちわびた「3…運命の炎」やっと公開されて朝一で観た‼️
とても 楽しめた‼️面白かった‼️

原作の8巻と11~13巻辺りまでを描いていて、壮大な叙事詩「4」に繋げる為の重要な物語だった。

特に紫夏編は 原作でも大好きなエピソードで、楽しみにしていた。ただ、昨年 予告が流れた時、子供であるべき嬴政役を吉沢亮さんが演じてるのを観て、びっくりした!!
ええっ?? 子ども時代(原作では9歳くらい)を 大人の吉沢さんが…!?ど、どういう事??
確かに、あの子ども時代の嬴政の壊れた心情や表情を 表現出来る子役が居るのだろうか?とは 思ってた。
だから、吉沢さんなら大丈夫だろうとは思った…でも、原作ファンは…どう思うだろう…吉沢ファンである私は 非常に心配してた。

でも…
プレミアム試写会の舞台挨拶で 「キングダム」を撮ってた5年前から、どうしても紫夏編の嬴政も自分が演じたい‼️と熱望していた…と吉沢さん。私も原作の紫夏編は 特に好きだったから、「キングダム」が公開された時、「もし、続編が有るなら、どのエピソードを演じたいか」という公式の動画で、吉沢さんが「紫夏編はどうしてもやりたい」と言っていた事に大いに喜んだ!でも当時は、紫夏編の嬴政は子ども(子役が演じる部分)だよー…向(嬴政の妻になる宮女)に語るシーンは有るけど💦…と、思って、それでも、紫夏編が観たい‼️と、私もずっと思っていた!

けれど、それが、本当に「子ども時代を自分が演じたい」という事だったとは…‼️😳

雑誌のインタビュー記事を読んだら、最初「1」を撮る時からずっと、プロデューサーさんには 演じたい‼️と熱望してきたとの事。それをプロデューサー自身が どう思ってたか…吉沢さんも「そんなに言うなら、やらせてみようか」ってプロデューサーさんが思って、決まったのでは?(笑)と予想してた…

けど、「キングダム」って、相当に大きなプロジェクトであるし、ファンも多く、お金の掛け方も莫大だろう…失敗は許されない‼️
言わば、一俳優の「好き過ぎるから 演じたい」という 欲望、一種のワガママなんじゃ?💦本当に よくプロデューサーさんはOKしたものだ!! 取り直しなんて不可能なんだし…めちゃくちゃ大きな賭け❗️そんな事を思いながら、「運命の炎」を観た。

私の心配は杞憂だった❗️

吉沢さんは見事に世に見捨てられた、心を無くした少年の弱さを演じていた!
紫夏から「月の秘密」を教えられ、睨んで見てた月をまた見上げた時、曇った目から、輝く瞳に変わった瞬間が素晴らしかった! 亡霊に脅かされるシーンの亡霊が また とても不気味で、吉沢さんは「キングダム」に於いて、何役?してるんだ!?
漂、影武者、嬴政、少年政、亡霊…って凄い‼️ その どれも違う‼️明らかに役の人物で存る!

この役を自身が演じたい…リスクを考えたら、普通は言えない💦
だけど、堂々と演じて魅せた!大河の撮影の最中で短期間に体重を5kg減らし、少年時代を演じ、また増やして大河に臨んだという。

これは 並大抵な事じゃないと思う…
俳優としての自信や責任がないと、こんな事は出来ないし、許されない。制作側の方々から、相当に信じられ、任されるって凄い‼️認められ、愛されて居るんだな…と感じた。それに十分に応えた吉沢さん。

紫夏編は、ストーリーで感動するエピソードだけど、 吉沢ファンとしては、映画制作における俳優と制作側の厚い信頼と責任の元に このシーンが作られたという事実にも感動した❗️


でも、吉沢さんも仰ってたが、なんと言っても 杏さんの紫夏が、正しく紫夏だった事が、成功した大きな要因だと思う。
もう少し、詳しく紫夏の背景や嬴政の悲惨さなどが描かれてたら…という思いもあったけど、杏さんの母のような存在感が、原作から見ると足りない部分も十分に補って 素晴らしかった!
嬴政の王としての覚醒を見て、亜門が一気に政を守ろうとする姿にも泣けた。

「貴方ほどの辛い経験をして王になる者は他にいません…」
「だから…きっと貴方は誰よりも偉大な王になれます…」
「憑き物が落ちましたな…瞳が何とも美しい…」は原作でも泣けたが、本当に感動した!


そして、この映画のオリジナルとして 最高に良かったのは、この嬴政の過去を 王騎が聞き、それを信が知った‼️という事。

このオリジナル改変は素晴らしい👏👏と思う❗️

紫夏編は 嬴政がどんなに暴君と言われようが、中華統一を何故、頑なに目指すのかという、「キングダム」の核になる部分だと思う。何故、嬴政が、嬴政たるかの理由。それは、自身が奴隷より酷い幼少期を過ごしたのは、醜い戦争によって人々が憎しみ合い荒廃した社会だったから…でも、そんな中、敵国の王の子である自分を命懸けで救ってくれた紫夏達がいた。戦乱が無ければ、悲劇は起きなかった…だから、戦国の世を終わらせ、人々を平和に導く世を創る為に「王」となる…❗️という決意。紫夏との約束。

しかし、原作ファンでもある私は、このエピソードを信が知らないでいることに、疑問を持っていた。信は何を持って嬴政を王とする為に戦っているのだろう?モチベーションは何だ?漂との約束だけなのか と。

でも、(この改変のおかげで)信は嬴政の今までの言動に ものすごく合点が行っただろう(過去の嬴政のシーンを挟んだのは胸熱)し、嬴政をより深く知り、信頼もし、前にも増して、嬴政を守り、力を尽くしたいと思ったに違いない🤣
そして、この事実を知った王騎にとっても、戦うモチベーションが更に高まっただろう❗️「この王の為にも勝利する❗️」と。

信が隠れて聞いてた事を分かっていて「信、皆さんをよんで来てください」と、王騎が言うシーンも 心憎く、王騎が信と嬴政二人の関係を解っているんだなと思うと、ワクワクした❗️
そして、信と嬴政が言葉を交わさずも
『政、お前も随分苦い思いをしてたんだな。オレはますますお前が王として相応しいと思えたぜ』(信)
『聞いてたのか…そうだ…だから中華統一を必ず、成し遂げるぞ、信❗️』(政)
という声が聴こえるような 二人の表情に 萌えた!!
素晴らしい改変だと思った❗️

私が「キングダム」を好きなのは、原先生が いわゆる史実とされている「暴君」という始皇帝の人物像を、実はこうだったのでは?と非常に豊かな想像力を持って描いてらっしゃる所だ。本当にユニークで素晴らしいと思う。是非、統一後の始皇帝の偉業も、そして末路までも、描いて欲しいと願っている。映画の冒頭が「2」と同じく嬴政の後ろ姿から始まるのも、意味が感じられ、好い。


紫夏編というより嬴政と吉沢さんのファン目線に寄って書いてしまった💦が、今回の映画での素晴らしさは、なんと言っても、信の成長だっ‼️

「キングダム」に於いて、とても興味惹かれるのは信が成長して行く過程と仲間達との関係性の有りようだ。


山崎賢人さんが、1、2を通じて「信」という人間を本当に忠実に細やかに再現して来た事に、今更ながらに感心した!幼く粗野で勝気で向こう見ずな信から、たくさんの仲間との出会いや戦場での経験、王騎から課せられた大きな試練=修行(このエピソードは原作では信の成長が描かれるシーンなので見たかった)を乗り越えた事で、「百人将としての器を持った信」だということがとても説得力ある演技で、納得出来た❗️一緒に観た娘が「山崎賢人、演技上手くなったね!!」と言ってたが、単に上手くなったのではない、今までは原作通りのヤンチャな信を忠実に演じて来たからなんだよ!!と、私は改めて山崎さんの信役へのアプローチの仕方に唸った!!

特別百人部隊として、自分らがとても厳しい戦いを強いられるかもしれないと、皆に伝えた後、蛇甘平原を生き残った俺たちが力を合わせれば、どんな敵にも立ち向かえる‼️間違いなく大きなな武功が挙げられる‼️との 信の檄に 思わずウォー‼️と声が上がった時、鳥肌が立った❗️
信は、隊長だが、上から目線ではない。命令もしない。事実と行動の結果と その成果を語る事によって、兵達の士気を上げる❗️怖気付く竜川も、信の言葉に奮い立った!
そして、一番先頭に立って敵陣に向かう。その姿に勇気づけられ兵も続く。そして、フウキを撃つ為に二手に分かれようとの仲間からの提案を受け入れる柔らかさと判断力も備わって来ている❗️それは、仲間を、任せ託せる者として信じられるからこそ❗️
兵達も信の力を強く信じられるからだ❗️このシーンは原作よりも解りやすくて胸熱だった❗️

「キングダム」は、リーダーシップとは何かを教えてくれる漫画であると言われている。信の姿を見ていると、とても納得行く。ついて行きたいし、任せられたいし、応えたくなる。手柄はみんなのもの❗️素晴らしいリーダーだ❗️

王騎の存在感も 信とは違うリーダーだが、圧倒的な力と共に そのオーラの凄さに周りが緊張する。だけど、その緊張は、背筋の伸びる、襟を正すような清々しさ!「全軍、前進。」の一言で、生気の無かった農民兵までが、士気を復活させる様は、鳥肌が立った!
王騎の将軍としての 深い洞察と行動が 誰からも認められているからこそ!

干央が「渢忌の首!飛信隊の信が討ち取ったぞ!」の瞬間の秦の軍の地鳴りのような歓声には、めちゃくちゃ鳥肌が…❗️そして、王騎が何故「飛信隊」という名を与えたか…の意味を知るシーンも、これからの信の未来を想像すると 本当にワクワクした!



そして、今回 新たに…「4」へと続く重要なキャラが、登場した。中でも「万極」は、吃音が今の世情では問題?なのか、再現されてないのは、…だけど、万極の怪しさと狂気が短い時間の中で十分 感じられ印象的だった。山田さん良かった!
そして…李牧とホウケン…やはり💦 リーク情報通りだったか…
理想とは違ってたが…まだ 顔見せなので、次作を観てから…

やはり、今回も呂不韋が、残念だった。外見もだけど、内側から滲み出る誰にも逆らえさせない絶対感、圧倒的権力感が、感じられず💦…ぅーン。語調が軽くて、昌文君や肆氏の重厚さに負けている気かした。そして、高島政弘さんの役者としての上手さに今更に気づいた!(ごめんなさい🙏)

紫夏は ほんとうに杏さんで良かった!!姉御感と母性が溢れていて、吉沢さんと8歳差?でも、ちゃんと大人と子どもの関係として違和感無く見られた!それにしても…嬴政の後ろ姿だけで「怖い目」を見抜くのスゴっ(笑)原作では橋の上から河原に寝そべる顔を見てたから わかったけど…😅
ちなみに、杏さんが暮らすフランスでも「キングダム」は翻訳されて読まれているそうだ。嬉しい♡

今作は、バトルアクションシーンが「2」よりも短かった?かもしれないが、とても迫力あって、見応え有った!羌瘣と信とのタッグを組んだ戦いぶりも面白かった❗️
そして何より、飛信隊の面々が魅力的だった❗️戦いの中にある人間ドラマに都度 魅せられた!
中でも印象的なのは「後で会うぞ!」と仲間に言うところ。1と2を先日、見直した時にも、仲間と分かれて戦う際に信が言っていた。

「また後で会うぞ!」は「死ぬなよ!」という言葉より 何だかとても前向きな力強い言葉で、希望に満ちている気がする!黒岩勉さんのオリジナルなのかな?凄く 好きだ‼️信らしくて❗️

今回、残念だったのは、信が漂を意識してると思われるシーンが、無かった事だ💦
「4」では思い出してくれよー!


それにしても(笑)、騰と王騎の「満々のマン」「満々々の万」…のやり取り、何?(笑笑)劇場で声出して笑いそうに(笑)蒙武との すれ違い様に見せた騰の表情も!(笑)

前作では気になって仕方なかった 色調も、今作ではメリハリの有るクッキリとした画像と色彩で、とても見やすくて良かった!!

主題歌…「生きろ」は曲調はおとなし過ぎて残念だったが、まだ 登場人物に寄せた歌詞だったのに…。もう、BGMとかプラチナとかの歌詞有るの…キングダムの世界じゃ無いよね?いつの誰の歌なの?
もう、期待するのは止めよう…と諦めた。ずっとワンオクだったら良かったのに…私の中では「キングダム」の主題歌は「Wested Nights」だけ。

それにしても、今回も日本と中国の撮影チーム、そしてVFXチームの仕事の素晴らしさに ド肝を抜かれた!そして、映画という世界では、国や政治関係なく一つの作品を協力して作り上げられるのは何て素敵な事だろうか!とエンドロールを観ながら、つくづく平和の有り難さを思った。
そして、こんな所がまだ日本に有ったのか❗️とか、中国の景色とのCG合成の見事さ‼️スンゴイ‼️何十万という軍隊の動きとか…実在してるようだ❗️AIの進歩によって、俳優の仕事が奪われる😱と問題になって、ハリウッドではストライキまで起こっている…確かに そこは大きな問題だけど…AIの進歩は、ここまで実現不可能と言われた「キングダム」を立派に作品にしている。これなら、合従軍も…と期待してしまう😊
是非、「蕞編」を映画で観たい!


今作は馬陽の前編も前編。次作が本当の馬陽編!!
今回も予告が有ると期待したけど、無し😓
続編はいつだろう?この熱が、記憶が薄らぐ前に 年末か来年早々に公開して欲しい‼️お願いします‼️



《追記》
登場人物のテロップが出ていたけど、フリガナある方が良いのでは?
何故か紫夏(シカ)のテロップがなかった‼️この人物こそテロップ必要なのに!
それから「飛信隊」の文字も 画面に表す方が良かったと思う。映画しか観てない方はどんな字なのかその場では分からなかったのでは?

《追記2》
松橋プロデューサー氏は 嬴政の子ども時代について原先生から「子役にするんですか?」と聞かれ「絶対、吉沢さんじゃなきゃダメです!吉沢さんご自身が演じて その重みを自分で背負って行くのが物語として大切なので、年齢は気になさらないでください。吉沢さんは絶対ちゃんとやりますので」と。原先生は「そういう事ならお任せします」で、実際に映画をご覧になって「これはとんでもないものを観ているのでは」という感覚になられたそうです。(パンフより抜粋)
改めて、プロヂューサーさんの吉沢亮さんへの信頼度の高さに感動!それを託される立場である吉沢さんは凄い役者だと思います😊

[追記]2023.9月18日
この日までに興行収入 52億9千万。
これは「2」が90日かけて作った51億6千万を、約半分の日数で達成した事になる。もしかして、「1」の57億をも超える可能性も❣️
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