Masato

キングダム 運命の炎のMasatoのレビュー・感想・評価

キングダム 運命の炎(2023年製作の映画)
3.7

後半は最高

ハイペースで続編が作られたキングダムの3作目。構成の偏りが酷くて前半がとにかくかったるいが、後半からは前作のような熱量を取り戻して見事快作になった。全体の配分がもっと考えられていれば素晴らしかった。

1作目はRPGのようなストーリーで2作目はアクションモリモリの剣戟アクション炸裂映画。そして今回は戦略シミュレーション要素が強めに出たれっきとした戦争映画になっていた。前作が三國無双だとしたら、今作は三国志。

アクションの量は格段に減ってしまったが、主人公の兵法を学んでいる現況に合わせて大局的な視点で描くことでストーリーとの相性が合っていながらも前作までとの差別化が成功していて、さらに今まで通りのスペクタクルさがあったのは良かった。それぞれの思惑の読み合い、真意の隠し方が良くて面白い。

しかしながら前半の嬴政の回想パートが映画のテンポを著しく停滞させてしまっていて残念だった。物語上必要不可欠なものであるが、趙軍との闘いが今作で終わらないため果たして今ここでそれを描く必要があったのかが疑問。やけにどっしりしていてかったるい。この回想を今作や次作以降の全体に散りばめるか、もっとコンパクトにして映画の開始時に持ってくるなどの映画のスピード感を考えた配分が必要だと思う。

かなり気になる終わり方をしたので早めに4作目を見たい。
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