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ゴジラxコング 新たなる帝国のtkのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

これは大好きなヤツ!!
予告編でまた(アホみたいなコラボ)やってんなぁと訝しげに観ていたのを反省。
「コング 髑髏島の巨神」
「ゴジラ キングオブモンスターズ」という好きな2作を掛け合わせた最高のシナジー。
乗れるやつだけついて来い!!
そんな気概を感じるほどの突き抜け加減。
これぞハリウッドなスケールのデカさ。
90年代の特撮風味も漂わせ、全編クライマックス。
序盤からローマで暴れる蟹型、スキュラを難なく粉砕するゴジラ。
コングは歯の治療をササっと済ませいざ、地下空洞へ。
その間に西海岸へバーニーを迎えに。
彼の部屋の「たたかわせろ」の怪獣ポスターが意味ありげでなんか好き。
モナーク基地やヒーヴ、コングのガントレットなど、冴えたメカがキマっている。
ヴィジュアルはピンク、イエローと鮮やかでどこを切り取っても美しい。
ハリウッドゴジラの体型はあまり好きではなかったけど、今回くらいガッシガシ動いてくれるとあの体型がカッコ良く見えるんだから大したもんだ。
ゴジラもコングも顔のアップが多く、特にゴジラのトゲトゲしい顔のイケメンぶりに気付かされたのはとても良かった。
コングは激しくも優しく、チビ猿スーコとの邂逅とROTLのゴラムを思わせる怪しい振る舞いに翻弄され...ない老獪ぶり。
あたかも初老の戦士と息子の様な2人。
ゴッドオブウォーのクレイトスとアトレウスさながらに距離感を縮めていく。
今回のメインを張る敵猿、スカーキング。
タイタンの背骨鞭を巻き付けた様は独裁国家の将軍といった出立ち。
ガンベルトのような見せかけ威嚇アイテムかと思ったら、実用的なのが素晴らしい。
そして秘密兵器シーモ。
ゴジラのアルビノ版のような見た目で可愛らしくも恐ろしい氷結攻撃。
コングとゴジラの正しくプロレスのバトルもニヤニヤが止まらない面白さ。
ゴジラのバックドロップが綺麗に決まって気持ちいい。
ジブラルタル海峡ってことはエジプトではなくモロッコだったのかな?
あの国にもピラミッドあるんだとか地理的にも興味深く、縦横無尽すぎるゴジラ。
人間たちも地下空洞でモスラを目覚めさせたり、無重力装置を起動したりと指を加えて傍観していないのが良いところ。
地下イーウィス族のシーケンスは青を基調としていて、往年の特撮感を意識しているのかなぁと嬉しくなる。
女王もそこはかとなく懐かしい感じの雰囲気を醸し出すキャラクター。
戦闘時に皆んなで乗り込んだヒーヴの後部座席に座っていて和んだ。
映画的には派手なブロックバスターなのに繊細な部分がいちいちニクい。
ラストはブラジル、海岸の街をこれでもかとぶっ壊しながら大団円。
見事に仕事を終えたゴジラは再びコロッセオにすっぽりおさまるハマりのよさ。
ただ、今回のゴジラ(コングも)は可愛げに演出されてはいるが、決して牙を抜かれた腑抜けな訳ではない。
劇中終始一貫して街を、原発を、潜水艦を破壊し人間の営みを意に介さない。
あくまで他の怪獣に対するカウンターに過ぎず、被害の規模は相当なはず。
人間が味方のつもりなだけで、未だに脅威的な存在であることに変わりはない。
その辺り、可愛げに描かれているからこそ逆に不気味ではないかとさえ思う。
今回は放射線を口から吸収するという生態が描かれていたのも新しくて良かった。
そんなこんなで濃厚な2時間。
3時間くらいあった?ってくらいの大満足でKINGの名に恥じない大傑作。
4DXでも揉みくちゃにされて、アトラクション気分で楽しすぎた。
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