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ゴジラxコング 新たなる帝国のJIZEのレビュー・感想・評価

3.7
ゴジラとキングコングが再び激突したことでそれぞれがテリトリーとする地上世界と地下空洞の世界が交錯し新たな脅威が出現する。サービス精神旺盛だが、やや荒削りも生じる。モンスター・ヴァースの最新作。まず二大怪獣が激突した前回の『ゴジラvsコング(2021年)』の続編で、アダム・ウィンガードが監督を続投した点に意義があった。また前回の王者決定戦風の対決路線から、今回はW主役エンタメ路線へと作風も一変する。別視点軸から言えばドラマ版『モナーク(2023年)』は人間たちの話し合いでほぼ収束していた反面、今回の劇場版はそれを補うかのように怪獣シーンの連打だったのはうれしい。モンスター・ヴァース自体の面白味が当初は『ジュラシックパーク(1993年)』のような対人間という図がホラー的に配されたからこそ爆速的な盛り上がりが生じたが、シリーズを増すごとにストーリーのインフレ化やテーマのカオス的方向性へ舵は切られ、正直シリーズがドコへ向かっているのか巨大化し過ぎて分からなくなる。むしろ昭和レトロの大怪獣映画のバリューとしては、最後までそれに応えてるとは言える。
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