①全体的な印象
怪獣版RRR。脳が溶けるような怪獣プロレス映画だった。今年に入って、最高のポップコーンムービー。怪獣好きの監督が怪獣好きのために作った作品であることは間違いない。
②演出/ ストーリー的な観点
前作同様、地下世界が物語の重要な要素を握る鍵になっており、その中の”未探索エリア”という設定がSF/ アドベンチャージャンル好きにはたまらない。
スカーキングの老害ザルぷっり、少しIQが低い感じは東宝の怪獣プロレス映画を彷彿とさせる。劇中、人間パートはぼほなく、怪獣たちが作品の主役になっていた。怪獣視点の映像 (POV)、怪獣の被害に遭う人間の直接的な描写のカットの排除など、ある意味『ゴジラ -1.0』の逆をやっていた。
また何より面白いのは、コングの表情のみで彼が何を感じているのかがだいたい分かるところだ。もちろん手話も多用していたが、細かい表情の描写は前作よりも多かった気がする。ゴジラの暴れる姿は、アニゴジ要素がオマージュされていて見応えがあった。紫色の放射熱線は『シン•ゴジラ』のようだ。
③CGと編集
CGは途中途中、テレビゲームのような質感だった。エネルギーを蓄えたゴジラが復活するショット (ゴジラの顔の寄り)、地下世界での大乱闘など、CGの荒さが目立つところが多かったと思う。
映像のカッティングのタイミングは最高だった。怪獣の見せ場をしっかり編集で際立たせている。どこで何が起きているのか、空間把握的に見やすかった。更には音楽のチョイス、流れるタイミングも非常にかっこよかった。