てっぺい

ゴジラxコング 新たなる帝国のてっぺいのレビュー・感想・評価

4.0
【新たなるど迫力映画】
ゴジラとコングが咆哮、殴ってちぎって熱線吐いて、そして走る笑。新しいゴジラが見れるのはもちろん、タイタン映画に珍しいあの状態での巨体バトルも目新しい。

◆トリビア
○ ワーナー・ブラザースとレジェンダリー・ピクチャーズ、東宝が提携しスタートした「モンスター・ヴァース」シリーズ。2024年は、ゴジラ70周年×シリーズ10周年のアニバーサリーイヤーとなる。(https://godzilla-movie.jp)
〇本作で盛り上がるポイントは、アクションではないというウィンガード監督。「私が一番熱くなったのは、アクションシーンの合間の、怪獣たちが交流する姿。今回は、怪獣の視点に寄り添った映画を作りたかったのです。」(https://www.gizmodo.jp/2024/03/godzilla-x-kong-differences-adam-wingard-scar-king-wb.html)
○前作を見たイーロン・マスクが、地底世界が地上のように明るい事を疑問視するツイートを投稿。前作と本作の監督であるアダム氏は、前作でその説明がなかった事を認めた上で「彼への反論として、一番最初のショットでその質問に答えたんです」と明かした。(https://theriver.jp/gak-answered-elon-question/)
〇ローマでゴジラが地面に足を踏みつけると周囲の建物が崩れる、というシーンは「ゴジラ-1.0」へのオマージュ。ゴジラが足で地面を踏みつける予告編で、周囲の土が盛り上がるという演出がスゴイと思ったと監督が明かした。(https://screenonline.jp/_ct/17696866)
○ ゴジラが光線を吐く前に背びれが1枚ずつ変色していくという演出は「ゴジラ-1.0」と共通するが、監督曰くそれは全くの偶然だという。(https://screenonline.jp/_ct/17696866)
○ ローマの円形競技場で丸くなって寝る姿など、ゴジラの動きは監督の飼い猫からインスピレーションを受けている。「ゴジラ-1.0」の山崎貴監督も同様だという。(https://screenonline.jp/_ct/17696866)
○ 「撮影スタジオにある20メートルの巨大な機械からコングの口の中に落とされるシーンがあって、大変だったけど面白かった」とトラッパーを演じたダン・スティーヴンスは語る。(https://screenonline.jp/_ct/17696866/p2)
〇「モンスター・ヴァース」初の実写ドラマ「モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ」のシーズン2制作が決定。シーズン1は、失踪した父親の真相に迫る二人の兄弟の姿と、モナークの謎に迫るドラマシリーズで2023年11月よりApple TV+で配信中。(https://ja.wikipedia.org/wiki/モナーク:_レガシー・オブ・モンスターズ)
〇ゴジラとコングの因縁は、1962年に東宝がキングコングのライセンスを借り受けて制作した「キングコング対ゴジラ」から始まった。当時の邦画動員歴代2位という国民的な大ヒットを記録している。(https://natalie.mu/eiga/pp/godzilla-movie2024)
〇『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』と、本作がコラボ。特別コラボビジュアルとコラボムービーが公開された。コラボビジュアルには、背景に「C(コナン)×K(キッド)」の文字があるなど、『ゴジラxコング』にリンクしている。(https://cho-animedia.jp/article/2024/04/18/46317.html)

◆概要
2014年の「GODZILLA ゴジラ」から始まったハリウッド版「ゴジラ」シリーズと「キングコング:髑髏島の巨神」の世界観をクロスオーバーさせた「モンスターバース」シリーズの通算5作目。
【監督】
「ゴジラvsコング」アダム・ウィンガード
【出演】
「ゴジラvsコング」レベッカ・ホール
「ブレット・トレイン」ブライアン・タイリー・ヘンリー
「ゴジラvsコング」ケイリー・ホトル
「美女と野獣」ダン・スティーブンス
「シャン・チー テン・リングスの伝説」ファラ・チェン
【日本版主題歌】
Yaffle x AI「RISE TOGETHER feat. OZworld」
【公開】2024年4月26日
【上映時間】117分

◆ストーリー
怪獣と人類が共生する世界。未確認生物特務機関「モナーク」が異常なシグナルを察知したことを発端に、ゴジラが君臨する地上世界とコングが生きる地底世界の2つのテリトリーが交錯し、ゴジラとコングが激突する。しかし、その先には人類にとってさらなる未知の脅威が待ち受けており、怪獣たちの歴史と起源、さらには人類の存在そのものの謎に迫る新たな冒険が繰り広げられる。


◆以下ネタバレ


◆光柱
地底の世界にそびえるあの光る柱のような巨大岩のカットから始まる冒頭。振り返ればこの光柱が本作のキーである事がここに記されていた。(ちなみにこの光柱、トリビアの通り前作へのツッコミに対するアンサーでもあるらしい)地底に生き残っていたイーウィス族は、この光柱を通じてSOSを発信。ジアは潜在的に共鳴し、ピラミッドのような波形を描画、これが地底への物語に繋がり、ピラミッドとものちに繋がっていく。ゴジラもそのSOSを受け取る事で目覚め、地上で力を蓄えていく。あの光柱は、地上と地底、人とタイタンを繋ぐ媒介のような役割だった。もっと言えば、あのど迫力無重力バトルを生み出すきっかけもこの光柱は担っているわけで、地味に本作の骨子的存在だった。

◆ど迫力
うんちくは抜きにして、誰が何と言おうとこれが本作の醍醐味。冒頭のコングvsウルフ(ハイエナ?)バトルのボディ引きちぎりに始まり、ウツボタイタンを喰らい、スカーキングとの肉弾戦も見もの。(ミニコングを武器がわりにゴリラタイタン達を殴り倒すも、その後ミニコングが無傷なのにちょっと吹いた笑)ゴジラはゴジラで、動くだけで人類に甚大な被害を及ぼしながら笑、次々と地上タイタンに圧勝。助けを借りに来たコングを世界遺産のピラミッドごとなぎ倒す暴君は笑、無重力であれ地底であれ地上であれ放射熱戦を吐き散らす。そしてやたらと素早く走る笑。今回はドルビーシネマでの鑑賞もあってか、度が過ぎる迫力ぶりにもはや笑いが出るほど映画を堪能できた。

◆ラスト
思えば冒頭で仲間の声と勘違いし落胆するコングは、故郷を失ったとジアに手話する姿もどこか人間味が滲み出る(助けを求めたゴジラに突進され「いやいや」みたいな仕草も笑えた)。そんなコングがシーモを従えまさに“新たなる帝国”の王となる姿は、故郷を失い、シリーズを通しても孤独だった彼にふさわしいラスト。そんな“居場所”を見つけるという意味では、ジアとも共通。イーウィス族の唯一の生き残りとして居場所がない事を訴えていた彼女にも、同様に仲間と居場所が見つかったわけで、それでも“私の居場所はあなたよ”とアイリーンとハグする場面は地味に涙腺に響いた。新たなる帝国は、コングにとってもジアにとっても、見つけた“居場所”だった。そんな成長物語も本作の裏テーマだったと思う。

◆関連作品
○「GODZILLAゴジラ」('14)
モンスターバース第1作。ゴジラが先史時代から存在するという設定に。Hulu配信中。
○「キングコング 髑髏島の巨神」('17)
モンスターバース第2作。巨大生物にはジャパニメーションの影響も見え隠れ。プライムビデオ配信中。
〇「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」('19)
第3作。ゴジラが王となる描写が壮観。モスラも登場。プライムビデオ配信中。
○「ゴジラvsコング」('21)
前作で第4作。プライムビデオ配信中。

◆評価(2024年4月26日現在)
Filmarks:★×3.8
Yahoo!検索:★×3.4
映画.com:★×3.4

引用元
https://eiga.com/movie/98575/
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ゴジラxコング_新たなる帝国
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