のっち

ゴジラxコング 新たなる帝国ののっちのレビュー・感想・評価

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怪獣映画こうあるべし!

地下空洞で故郷を探すコング、地上で故郷を守るために力を貯めるゴジラ、謎の信号を辿り故郷に辿り着く人間。かつての敵をやっつけろ!

非常にわかりやすいストーリーなのに加えて、怪獣が人間のよう。特にコングとチビの冒険なんかバディモノの定番で、無声映画のような表情の魅せ方とシンプルなストーリー。ゴジラ側も世界各地とバトルを常に見せてくれるので飽きない。そこに捕捉するように人間側のストーリーがはさまり、まさに怪獣映画はこうあるべきという新たなお手本。

ここまでの傑作となると、アカデミー視覚効果賞を獲った『ゴジラ−1.0』と比較したくなる。CGについては圧倒的に今作の方が予算もクオリティも高く、存在感をここまであげられると観客としても怪獣を人の延長線上または大きな生き物として見えてしまう。
そういう意味で日本のゴジラは異形で畏敬のアニミズム的神としての役割を全うしていて、海上で目をぎょろつかせるゴジラの生物っぽくなさはCGの凄さに加えて造形美と演出のまさに神業だったのかもしれない。
今作の怪獣はやたら光っていて、それが安っぽさに繋がった感も否めないし、地下の生態系を作ることで生物の延長線上に位置していることを強調している感もある。あと、モスラが蚕じゃなくてムートーになっとる。
まあ、どっちも好きだけど。
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