鮭茶漬さん

ゴジラxコング 新たなる帝国の鮭茶漬さんのレビュー・感想・評価

1.0
まるでゴジラ愛を感じない映画で唖然とする。そもそも鳴き声も違うし、ゴジラが走ってしまうと、こうも間抜けに見えるかというほど滑稽だ。そして二大怪獣の人格が描かれていることも興醒め。ゴジラは感情がないからこそ得体の知れない恐怖の対象であった。これでは、恐怖心も萎える。既に前作でキングコングがゴジラに右ストレートをお見舞いするという見たいものが見れているだけに、今回はそれ以上のブレイキングダウンを見せられても、新鮮味に欠ける。

所詮は怪獣映画、特撮映画、消耗品の域から出ていない。高い技術力のVFXでハイスピードや重量感ある大饗宴の騒々しさが表現されていた点は、流石はハリウッド・クオリティと言いたいところだが、なんせ中身がスカスカ。刺激を求めて、どんどん荒唐無稽の泥沼にはまっていき、派手なら何でも構わないというアメリカ娯楽産業の悪い部分で暴走している気がする。要はWWE。これなら、正直ゴジラでなくてもいい。娯楽として消耗されるだけでも、何かの意図があるべきで、その意味では、政治映画『シン・ゴジラ』、反戦映画『ゴジラ-1.0』が如何に傑作だったかが分かる。
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