tetsu

ゴジラxコング 新たなる帝国のtetsuのレビュー・感想・評価

4.1
ゴジラ大好きな友人・ゴジラ兄さんを含む友人3名と共に鑑賞。


[あらすじ]

謎多き地底空洞世界に生きる怪獣"コング"。彼は地上のライバル"ゴジラ"との再戦に熱い思いを抱いていた。ある日、幼獣"スーコ"や自身の同族を発見し、彼らの支配者"スカーキング"に遭遇。地上世界への進出を目論む強敵にコングは絶体絶命のピンチに……!
一方、謎のシグナルに導かれ、地下世界へやってきた調査機関"モナーク"の学者とその仲間たち。彼らが追い求める先には"ある怪獣"の存在があり……。


[雑感]

翌日にはあまり内容を覚えていないが、ただただ「最高」という2文字が残る、近年屈指のポップコーンムービーだった。


[ハリウッドが作る怪獣プロレス映画]

予告編に登場したゴジラ&コングの爆走シーン、レッドカーペットイベントに現れたゴジラとコング(という大ボケ)etc……。
公開前から『ゴジラ-1.0』とは真逆の「子供も楽しい怪獣プロレス映画だよ!」という方向性はしっかりと提示されていたが、まさか、それを120%実現してくる映画だとは思わなかった。とにかく多幸感が半端ではない。

事あるごとにイケイケ洋楽BGMを流すことでバイブスをブチアゲていく作風は、まさしく景気の良いハリウッド大作(言うなれば、マイケル・ベイ作品や『バトルシップ』に近い)。

莫大な予算を注ぎ込み、コングがバックドロップをし、ガッツポーズをするという、過去最大級の怪獣プロレス映画でありながら、そこにヤンキー映画要素、巨大"猿の惑星"要素(上映前に『猿の惑星/キングダム』の予告が流れるのがそこに拍車をかけている)、さらに無重力バトルまで盛り込むてんこ盛り具合が最高に楽しかった。笑


[コングの息子]

『ゴジラvsコング』の続編企画が始動した当初、報道では『Son of Kong(コングの息子)』というタイトルが噂されていた。

これは1933年に作られた初代キングコングの続編『Son of Kong』(日本タイトルは『コングの復讐』)と同名で、報道当時はゴジラが関与しないコングシリーズの続編と言われていたほど。

本作ではコングとその息子の様な存在・スーコ(劇中ではむしろ弟分という表現が正しいのかも……)との物語と、人間サイドの疑似親子の物語が展開され、もしかすると、製作当初はここを主軸とした物語を考えていたのかもしれない。

実際には、ゴジラと新怪獣&ゲスト怪獣の登場、監督の出世作『ザ・ゲスト』の主演・ダン・スティーヴンスの活躍など、色々な要素が盛り込まれ、そのドラマは薄くなっている印象も受けたが、結果的に楽しかったから良しとする。笑


[ゴジラ兄さんx鋼鉄隊長]

ここからは完全に映画の感想から逸れた個人的な話になるので、作品の内容に興味がある方は読み飛ばしてもらえれば……。笑

私の知人にゴジラが大好きで新作のたびに歴代全作を予習する「ゴジラ兄さん」と呼んでいる方がいます(詳しくは #人物:ゴジラ兄さん から)。

今回は彼を含め、3人の友達と鑑賞したのですが、その中にはもう一人、ゴジラが大好きな友達がおりまして……。

彼の名前は 鋼鉄隊長 さん
大学時代、ゴジラ兄さんと共に歴代ゴジラ作品を追いかけていた頃、サークル勧誘のチラシにデカデカとゴジラの絵を見つけたので、サークル長だった彼に話しかけたところ、意気投合。

ゴジラに限らず、特撮映画全般・B級ホラー・アニメ・ミリタリー物など、オールジャンルの作品に造詣が深く、映画史的な文脈からも映画を評価する人物でした。

しかし、実はこの2人、ゴジラへのスタンスが全く異なるのが面白いところ。

かたや、ゴジラ兄さんは"ゴジラ寛容派"なため、ゴジラが出ていれば何でも「面白かったな~」と言うタイプですが、鋼鉄隊長さんは"初代ゴジラ原理主義者"。

モンスターバースのゴジラは「核兵器の正当化」、『シン・ゴジラ』は「ゴジラの神秘性のなさ」という点を中心に作品を批判しており、同じゴジラ好きでもここまで捉え方が違うのかと驚きました。

実は『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ 』公開時に初めて2人を合流させ、映画館で共に鑑賞したのですが、感想は賛否真っ二つに!笑

とはいえ、この2人、その後も事あるごとにゴジライベントやら、東宝特撮の上映会に共に参加しているようで……。

鋼鉄隊長さん曰く、とあるイベントに行った時、ゴジラ兄さんがゴジラのぬり絵をまるで少年のように楽しんでいる様子を見て、「純粋に作品を楽しむことの方が尊いのかもなぁ~」と感銘を受けたとのこと。

個人的には、そんな彼らの関係性に、本作のゴジラとコングを思わずにはいられなかったというお話です。

あ、ちなみに、今回の作品は、双方共に大満足だったとのことでしたので、それをここでご報告しておきます。


というわけで、モンスターバースとして、方向性が固まり、ある種の到達点となっていた本作。

モンスターバース初期のゴジラからは程遠いおバカハリウッド大作になっているのは衝撃ですが、それゆえに誰でも楽しめる作品になのも事実。

是非、普段誘わない友達なども連れて映画館へ行き、感想を語り合って楽しんでほしい快作でした!

参考

『ゴジラvsコング』続編どうなる、モンスターバース新作『Son of Kong(仮)』を占う | THE RIVER
https://theriver.jp/whether-gvk-sequel/
(『Son of Kong(仮)』時代の記事。)

ハリウッドでのレッドカーペット時のThe Hollywood Reporterさん(@THR)の投稿

W主演が登場した瞬間①
https://x.gd/mJRth
(安っぽいバルーン型着ぐるみ)

W主演が登場した瞬間②
https://x.gd/MUlfU
(どうみてもフィギュア×2体)

Godzilla x Kong: The New Empire - London Titan Takeover - Warner Bros. UK & Ireland
https://youtu.be/PAp2-TXSBwc?si=B0gDJFGJ9pUvL0x1
(ロンドンの宣伝が面白い。ユニークな等身大スタチューが街に出現)

Rise Together
https://youtu.be/-0-S59KuZdc?si=3Dxrch3KC3Z1ny4q
(今回のテーマが"共闘"とのことで、Yaffle×AI×OZworldのコラボ楽曲をどうぞ。)

\ID.4にコング用シュガーは載せられるか!?/
https://youtube.com/shorts/_IQ15gJpTyM?si=ZJ0S94-fz1SuF9oz
(劇中ではコングに思わぬ激痛が走りますが、その原因?とネットでも噂の衝撃のCM)
tetsu

tetsu