このレビューはネタバレを含みます
前作の『ゴジラvsコング』の時点でほぼほぼ端折られていた人間ドラマがさらに最小限なものとなり、もはやストーリー進行に必要な内容だけという思い切った作り。人的被害に対してもあまりにも無頓着で、もはや逃げ惑うシーンすらもまともに描かれず、ストーリー進行に不要となったキャラクターはサクッと殺される。ただ、前作から継続のジアのストーリーは最終的に「モスラ復活」というテーマに繋がる形となるのだが、秘境探検といった面持ちで面白く、また陰謀論者のバーニーも素の自分をさらけ出すことができる相手を見つけたことで救済されると、最小限ながらも意外とやるべきことはやっている。
一方、怪獣パートはとにかくてんこ盛り、世界中を暴れて回るゴジラ（各地の名所を破壊していく様はvsシリーズのオマージュか）にゴジラとコングの殴り合いからの共闘と盛りだくさん。さらに、スカ―キングとシーモというコング、ゴジラの対となる新怪獣をぶつけタッグマッチ的な「怪獣プロレス」を披露。新怪獣はどちらも良いキャラ。また、人間ドラマが最小限な代わりに、ヤンキー映画的なコングの地底探索パートをたっぷり入れていたり、虫歯ができて助けを求めるコングのかわいらしさだったり、ウィンガード監督の深いコング愛を感じる。
