アキヒロ

ゴジラxコング 新たなる帝国のアキヒロのレビュー・感想・評価

3.4
思わず笑った!!
これはまさにハリウッド版ゴジラの顔を借りた
90年代の不良漫画(『魁!男塾』)!!!

極悪地底連合の猿山の大将スカーキング(茶髪でえぐいソリコミが入った不良)にやられたコング。
スカーキングはスタッズのついたベルトをブン回すタイプの不良で、おまけに垂金権造のヘレンちゃんそっくりのペット(※地底怪獣シーモ)まで飼っている。

スカーキング「誰だぁ?俺の縄張りを荒らす奴は…?」
スカーキング「野郎ども、やっちまいな!」
スカーキング「お前ごときが俺様のペットに敵うかな?」
(※マジで↑このセリフが聞こえてくる)

なんとか追手を逃れたコングも、メリケンサックを付けてスカーキングに対抗!
おまけに地上旧神会のゴジラ先輩にも協力を依頼。

ゴジラ「てめぇ、分かってんだろうな? 貸しひとつだかんな?」
コング「すまねぇ、今回ばかりは背中借りんぜ」

そして共闘!!!
めちゃくちゃ90年代のビーバップハイスクール臭すごかったです!!!

もう「メインビジュアルの二匹同時ダッシュの二次創作感すごい」とか思ってたら、よく考えたら日本ゴジラの本物の二次創作やこれ!!!
(動いてる額が大きすぎて気づかなかった!!)

それにしても、もうゴジラの由来がヴェルヌの地球空洞説やら旧神やらをごった混ぜにした設定にしてしまっていて、
「ゴジラは原爆から生まれた」「ゴジラが通った後は放射能汚染される」という設定は「なかったことになっている」!!!
もう、ハリウッド版ゴジラはアメリカのオモチャですよ(苦笑)

でもこれは日本のファースト・ゴジラが「恐怖映画」だったのに、後の昭和ゴジラがだんだんと神性が失われていき、平成ゴジラになって「怪獣プロレス」になって陳腐化してしまったという日本のゴジラの末路とまっっったく同じルートを辿っていて、むしろ感慨深いです。
神話は民話になり、妖怪は妖怪ウォッチになり、怪物はポケモンになってしまう。
すべての恐怖は神性が失われて陳腐化し、最終的に子供のおもちゃになってしまうというのは、「どこの国でも起こるんだな」と改めて感じされられました。

知能指数は間違いなく近年のどのゴジラ映画よりも低く、日本の令和ゴジラの文学性や時事性に比べてしまうと、ほんっとうにどうしようもないですが、
一人の男の子としてはなかなか楽しめるものになっていたと感じました。
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