全体的にパンフォーカスを廃した撮影がなされており、印象的な魚眼レンズのショット以外にもショット内のどこにフォーカスがかかるかかからないかという点が重視されている。前景と後景のフォーカス送りや、ローマで目覚めるゴジラのショットでは尻尾とゴジラの上半身が別々のフォーカスで捉えられており、これは細部にまで行き渡っていた。
また、レンズに付着する血や水滴といった部分も割愛されておらず、極めてカメラの自動性に従った作品と言える。
上記のことから、ハリウッド超大作映画における新様式の萌芽のようなものが垣間見えたと思う。具体的に言うなら、カメラワークが人間身体を超えた前回の様式から、人間の目の映り方からの脱出といった形で。
