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ゴジラxコング 新たなる帝国のプライのレビュー・感想・評価

4.3
モンスター・ヴァース5作目。いろいろ凄い作品である。VFX技術を活かし、怪獣たちのヒューマン・ドラマならぬモンスター・ドラマとして成立させ、怪獣プロレス映画ならぬCGアクション映画として成立させている。さらには、『GODZILLA』及び『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』のようなシリアス一辺倒なキャラと『キングコング 髑髏島の巨神』のような軟派キャラといった温度差が生じそうなキャラたちを同じ空間に居座らせながらも中和のような属性を固めたような歪なバランスで成立させているのも、ある意味では凄い。

VFX技術をフルに活用した作品である。怪獣たちが言語を用いることなく、鳴き声・表情・身振り手振りでコミュケーションを取る様相はヒューマン・ドラマならぬモンスター・ドラマとして成立。これが大いに笑える。地表だけでなく、上下左右へ細やかに暴れ回るバトルは怪獣プロレス映画ならぬCGアクション映画として成立。これも大いに笑える。『ゴジラvsコング』でメチャクチャな世界観を作り上げ、ダイナミックかつハチャメチャな映像で面白さを押し付けていた。本作ではダイナミックさとハチャメチャ感はもちろんのこと、怪獣たちの仕草やモーションで大いに感情表現をする細やかさが加わっている。その細やかさが、真面目だけど笑ってしまう映像・演出を生み出し、『ゴジラvsコング』とは違ったブットビ感がある。

人間のキャラクターたちについて、前作の『ゴジラvsコング』では『GODZILLA』及び『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』のようなシリアス一辺倒なキャラクターと『キングコング 髑髏島の巨神』のような軟派なキャラクターが交わらないよう各々のパーティを組み、温度差を破壊しないという荒技を披露していた。しかし、本作はパーティ分けをすることなく集結。温度差が瓦解すること思われたが、『モンスター・ヴァース』シリーズあるあるである「新作には新キャラをやたら登場させる」を封印。おそらくシリーズ史上、最小人数の主要人物で人間パートが完結しており、最小人数で各々のキャラ付けとして温度差の瓦解が生じていない。また、全員が集結してもアンドリューズ博士と少女ジアの親子コンビ、バーニーとトラッパーのお笑いコンビを常とした掛け合いが多く、温度の均衡が保たれている。キャラクターの属性を中和したような同じ者同士で固めたような采配であり、なんだか凄いバランスだな(笑)


⭐評価
脚本・ストーリー:⭐⭐⭐⭐
演出・映像   :⭐⭐⭐⭐⭐
登場人物・演技 :⭐⭐⭐⭐
設定・世界観  :⭐⭐⭐⭐
星の総数    :計17個
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